購買行動が激変!? ChatGPT、プラットフォーム内で商品購入が可能にMarketing Dive

» 2025年10月14日 06時00分 公開
[Dani JamesMarketing Dive]
Marketing Dive

 消費者がAIに買い物の提案を求めるようになる中、米OpenAIは購入プロセスをChatGPT上で完結できる新機能を発表した。

ChatGPT上で直接購入が可能に

Etsy上の販売者からChatGPTの「インスタント・チェックアウト」機能を通じて花瓶を購入する様子を示したデモ画像(出典:Etsy 2025年9月30日時点)

 OpenAIは9月29日、米国のChatGPT Plus、Pro、無料ユーザー向けに「インスタント・チェックアウト」機能を公開した。この機能により、ユーザーはChatGPTのプラットフォーム内で米国のEtsy(エッツィ)販売者から直接商品を購入できるようになる。今後は、100万以上のShopify(ショッピファイ)加盟店(Glossier〔グロッシアー〕、Skims〔スキムズ〕、Spanx〔スパンクス〕、Vuori〔ヴオリ〕など)にも対応予定だ。

 「500万人以上のクリエイティブな起業家のマーケットプレースとして、私たちの使命は、買い物客が特別な商品を簡単に発見し、楽しめるようにすることだ」と、Etsyの最高製品・技術責任者(Chief Product and Technology Officer)レイフ・コルバーン(Rafe Colburn)氏は同社の別の投稿で述べた。

 現時点では、インスタント・チェックアウト機能は単一商品の購入に対応しているが、OpenAIは今後、複数商品のカート機能やサービス対象地域の拡大を計画している。販売者は購入時に手数料を支払うが、ChatGPTのユーザーには追加料金は発生しない。また、検索結果での優遇はないものの、同一商品の販売者を比較する際には、インスタント・チェックアウト対応状況や品質、価格などが考慮されるという。

「エージェンティック・コマース・プロトコル」の採用

 この新機能は、OpenAIが米Stripeなどのパートナーと共同開発した「エージェンティック・コマース・プロトコル」(Agentic Commerce Protocol)を搭載している。OpenAIはこのプロトコルをオープンソース化し、販売者が独自にChatGPTとの統合機能を構築できるようにした。これにより、企業はChatGPT上で自社製品を直接販売できるようになる。

 eMarketerの上級アナリスト、ザック・スタンボー(Zak Stambor)氏は、電子メールでのコメントで以下のように述べている。

 「OpenAIはインスタント・チェックアウトによって、商取引分野への本格的な一歩を踏み出した。まだ調整すべき点はあるものの、数億人規模のユーザーに決済機能を統合できれば、ChatGPTはAmazonやGoogleに匹敵する商業プラットフォームとなり得る」

 この発表は、消費者が日用品からギフトまで、あらゆる商品の提案をAIに求めるようになっている時期に発表された。こうした変化により、一部の消費者は小売業者が長年重視してきた検索エンジンから離れ、直接企業のECサイト上でより複雑な検索をするようになっている。

生成エンジン最適化(GEO)の時代へ

 「GEO(生成エンジン最適化)は、SEOの次の時代だ」と、Target(ターゲット)のデジタル製品管理担当副社長ランジート・ボーセール(Ranjeet Bhosale)氏は、ShopTalk Fall 2025でこう語った。

 「重要なのは、適切な商品を提示するだけではない。例えば、消費者が『夏のパーティー用品』を検索した場合、単に食器を見せるのではなく、パーティー用品やグリル用の肉、日焼け止めなど、Targetが扱う多様な商品群を魅力的に見せることが重要だ」と強調した。

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