最新ITの展示会「CEATEC(シーテック)2025」が14日、千葉市美浜区の幕張メッセで開幕した。国内外から計810の企業・団体が出展。次世代の第6世代(6G)以降の移動通信システムを想定し、人の五感を伝える技術やこれまで電波が届かなかった場所の情報を活用するシステムの展示が目立った。17日までの4日間で10万人規模の来場を見込んでいる。
半数近くの出展が人工知能(AI)関連で、スタートアップ(新興企業)や大学研究機関の参加は232と、昨年の188を上回り過去最多となった。一方、AIの社会実装を前提に、大容量のデータをより高速で送信できるようになる6Gが実現した未来を想像させる展示を強調する企業も相次いだ。
村田製作所は人では違いを感じられないような微妙なにおいを識別できるセンサーを出展、コーヒーや紅茶のにおいを検知する実証を披露した。におい成分を解析し、火災や病気の早期発見などにつなげることができるという。
センサーで得られる感覚のデータは複雑で、高速通信が可能になれば、活用の可能性も広がる。NTTドコモは身体や心の痛みを数値化し、他人と共有する仕組みを展示した。医療現場で利用すれば、腹痛やけがの痛みを医者に伝えやすくなる。カスタマーハラスメントやSNSでの誹謗(ひぼう)中傷なども数値化し、身体的な痛みに置き換えて実感してもらうことも想定している。ドコモの担当者は「6Gでの通信を前提にした技術」とアピールした。
次世代の6Gでは、宇宙や海中などでも無線通信が可能となるため、新たな領域でITの技術開発が進む期待が高まっている。
富士通は水中ドローン(無人艇)で撮影した映像から、現実そっくりの仮想空間「デジタルツイン」を生成する技術を出展した。藻場を再生し、海洋生態系が吸収する炭素「ブルーカーボン」を増やすプロジェクトに活用するという。ドローンは有線で接続されているが、6G時代には無線で操作できるようになる可能性もあるという。
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「JALとANA」どこで違いが生まれたのか? コロナ禍を乗り越えた空の現在地copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.
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