創業65年の老舗通関業者がアナログの極致からの大転換――「アウェイ」な推進リーダーはどう会社を動かしたのかITmedia デジタル戦略EXPO 2026 冬

» 2026年01月26日 08時08分 公開
[ITmedia]

 2026年1月27日〜2月25日にITmediaが主催するオンラインイベント「ITmedia デジタル戦略EXPO 2026 冬」では、全10カテゴリーから"今"知りたいデジタル戦略の最前線を紹介する。

 「IT戦略」カテゴリーでは、協和海運(Shippioグループ)の松本和男氏(代表取締役社長)がアナログの極致だった業務をどのように変革したのか、その裏側を語った。

電卓・定規・紙台帳――アナログの極致からの大転換

 松本和男氏

 「通関」とは、輸出入を行う企業に代わって、税関から許可をもらうための専門手続きを代行する仕事だ。通関士は、合格率が低い難関国家資格を保有するスペシャリストだが、業界には今も電卓や定規、紙文化が強く残っている。

 協和海運は創業65年、従業員約30人の老舗通関業者。2022年に貿易DXスタートアップのShippioがM&Aによりグループ入りし、その融合の中で業務の進め方にメスを入れた。そして2025年、DX大賞の事業変革部門で最優秀賞を受賞。「創業60年超えの老舗通関のベテラン職人が、本気でテクノロジーと向き合い、取扱量6倍、工数約5分の1を実現」と評価された。しかし、そこに至るまでの道のりは決して平たんではなかった。

「手板」という紙台帳が生む非効率

 2024年、DX推進室長としてShippioから協和海運に出向した松本氏。初日の印象を「孤独」と一言で表現する。「誰も話してくれない。アウェー感が満載でした」

 松本氏が最初に取り組んだのは、いきなりの改革ではなく、皆と全く同じ仕事のやり方で、全く同じ仕事をすることだった。「信頼関係がない状態で、どんなに正しいことを叫んでも、ノイズにしかならない。一緒に悩み、苦しみ、笑いながら仕事を進めることで、少しずつ会話が生まれた」

 松本氏が業務の中で最も問題視したのは「手板」と呼ばれる紙台帳だった。案件ごとに作成され、通関に必要な書類が挟まれた本のような台帳が、社内の3つの部署を物理的に回りながら仕事が進む仕組みだ。問題は明白だった。

  • 誰かが仕事を溜めると、後続の全員が待たされる
  • 毎日山積みされる台帳は優先順位がつけられず、上から処理するしかない
  • データ更新や変更に対応できない(紙は更新されないため)
  • 急ぎ案件が「宝探し」状態に

 これを何とかできないか。松本氏は「ニューウェーブス」というDX推進プロジェクトを立ち上げた。

 ニューウェーブスの最初のメインミッションは「紙台帳をなくし、通関案件をデータベースで管理すること」。ツールの導入やデータの以降だけでなく、従業員の同意を形成していく過程で多くの苦労があったという。特に、従業員からは「私たちはもういらないんですね」といった声が挙がり、ツールの利用もなかなか進まない。松本氏はこうした壁をどう乗り越えていったのか。

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 デジタル戦略EXPO 2026 冬では「業務効率化」や「AI活用」など全部門が参考になるカテゴリーの他、「経理・財務戦略」「人事・組織戦略」「システム運用管理」など部門別に役立つカテゴリーのセッションを20日間にわたりお届けする。登録は無料、会期は2026年1月27〜2月25日。「新規登録&来場キャンペーン」も実施しているので、ぜひ会場でデジタル戦略の最前線に触れてほしい。

協和海運のDXのポイントを詳しくチェック

 協和海運が取り組んだDX。創業65年の老舗通関業者がアナログ業務をどう変革したのか。松本氏が語るプロジェクト推進の方法をこちらから無料でご視聴いただけます

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