なぜ、あなたの文章は読みづらいのか? 「短く分かりやすい」をつくる2つのテクニック

» 2026年02月04日 08時30分 公開
[武政秀明サンマーク出版]

この記事は『22文字で、ふつうの「ちくわ」をトレンドにしてください』(武政秀明著、サンマーク出版)の内容に一部編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。


 あなたは朝起きてから今まで、どのくらいの「文字」を見たでしょうか? あなたが作成した、Web記事の投稿、広告やPRの制作物、商品・サービスの販促文、メールや営業の企画書なども、多くの情報の中に紛れてしまいがちです。

 特に現代は「情報砂の一粒時代」とも言われ、発信した情報が砂浜の砂の一粒のように、誰にも気付かれず埋もれてしまうことがめずらしくありません。見てもらう、関心を持ってもらう、選んでもらうためには、ちょうどいい情報量であることがまず大事です。

 元東洋経済オンライン編集長が「読まれた記事」「読まれなかった記事」を分析し、たくさんの人に興味を持ってもらうための「言葉の法則」を解説します。

ちょうどいい情報量とは?

 以下の2つの文章を比べてみましょう。

  1. 「昨日友人と新しくオープンしたイタリアンレストランに行ってパスタとピザを注文して食べたのですが、とてもおいしかったです」
  2. 「新しくオープンしたイタリアンレストランはおいしかったです」

 1つめの文章はとても読みにくさを感じませんか? 同様に「地域密着型のかかりつけ医として最新設備を備えた総合的な医療サービスを心を込めて提供いたします」という病院の案内も読みにくいと感じるでしょう。

 この2つには共通点があります。どちらも「一度に処理するには情報が多すぎる」のです。長い文も、情報過多の案内も、相手の頭を疲れさせてしまいます。

 大切なのは「情報を詰め込みすぎない」こと。1つの文の中では「情報は4つまで」「主語は2つまで」。この2つのルールが、東洋経済オンラインで編集長を務めてきた私が7000本のタイトルを作成して反響を見る中で発見した実践ルールです。以下でそれぞれ詳しく解説していきます。

情報は4つまで

 たくさんの価値を伝えたい気持ちはよくわかります。しかし、情報を重ねすぎると伝わりにくくなります。4つの要素を超えると、ほとんどの人は理解が困難になるのです。例えば、「(1)若手社員が、(2)休日に、(3)独学で、(4)プログラミングを学んで、(5)アプリを開発して、(6)3カ月で、(7)起業に成功」という文章があったとします。

 これは情報が多すぎます。7つもの要素が詰め込まれているため、相手は「結局、何の話?」と混乱してしまいます。書き手としては、若手社員の頑張りも、休日の努力も、独学の大変さも、全部伝えたい。でも、全部を詰め込むことで、かえって印象がぼやけてしまうのです。

 でも、4つに要素を絞るとどうでしょう。

 「休日プログラマーが3カ月で起業に成功した理由」

 4つの要素までに収めることで、むしろ印象は強くなります。「休日」「プログラマー」「3カ月」「起業に成功した理由」という4つの要素が、スッキリとしたストーリーを作り上げています。

 ここで「休日プログラマー」という言葉を使っていますが、「休日」と「プログラミングを学んで」「アプリを開発して」という3つの要素を1つにまとめています。「休日プログラマー」という表現一つで、平日は別の仕事をしながら、限られた時間でプログラミングに取り組む姿が浮かんできます。要素をまとめて1つの言葉にすることも短く表現する時のテクニックです。

主語は2つまで

 主語の数には注意が必要です。主語が増えすぎると、読み手の頭の中で、行動の主体があいまいになってしまいます。例を見てみましょう。

  1. トヨタ・日産・ホンダの新戦略
  2. トヨタ・日産の新戦略

 どちらが人の目にとまると思いますか? きっと2つめだと感じられたはずです。

 私が長くWebメディアを運営した経験から、主語を3つ以上にしたタイトルの記事は、アクセス数が伸びないという傾向がありました。これは偶然ではありません。

 私は「両手に余らない」と表現しています。人間の手は左右2本しかありません。1つずつ持つことを考えると、一度に扱える量にも限界があります。

 これらの「限界」を意識して表現を考えることで、確実に相手の頭に入る文章が書けるようになります。多くを語ろうとして何も伝わらないより、絞り込んで確実に届ける。それは、相手の認知的な負担を軽くしてあげるという思いやりでもあるのです。

『22文字で、ふつうの「ちくわ」をトレンドにしてください』

SNSの投稿やメールの件名、企画書づくり――。

仕事や日常生活における「短い言葉で伝えなければならないシーン」の言葉選びに悩む人へ。

ちょっとしたことで「伝わり方」は大きく変わります。

月間3億PVを叩き出したWeb編集長が、短い言葉で相手の心をつかむ45のコツを紹介。

読み終わった瞬間、言葉のセンスが格段に上がります。


著者プロフィール:武政秀明(たけまさ・ひであき)

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Webメディア編集長。1976年兵庫県神戸市生まれ。1998年関西大学総合情報学部卒。自動車セールスパーソン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年から東洋経済オンライン編集部。副編集長、編集長、編集部長を歴任。約12年間の在籍中に自身で7000本超のタイトルを考案してヒット記事を連発する一方、同期間にサイト全体で数万本に及んだ記事のアクセス傾向を徹底的に研究。読者の関心を大きく左右する記事タイトル=最初の言葉の作り方を独自に体系化する。東洋経済オンライン編集長時代の2020年5月には過去最高となる月間3億457万PV を記録。2023年5月にサンマーク出版へ転職後、SUNMARK WEB を立ち上げて編集長を務める。本書が初の著書。


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