トヨタ自動車は2月6日、佐藤恒治代表取締役社長が副会長、および新設するChief Industry Officer(CIO)に、執行役員の近健太氏が社長・Chief Executive Officer(CEO)にそれぞれ就任する4月1日付役員人事を発表した。佐藤社長は「トヨタが抱える2つの経営課題に向き合うためのフォーメーションチェンジだ」と説明する。
佐藤社長が挙げるトヨタの経営課題は「稼ぐ力」と「産業連携」の2つだ。佐藤社長は「厳しい環境でも踏ん張るために稼ぐ力をつけないといけない」とした上で、損益分岐台数の改善が重要であると話す。そこで、トヨタのChief Financial Officerとして収益構造の改善に最前線に対応しており財務に詳しく、ウーブン・バイ・トヨタでの経営経験もある近氏が適任であるとした。
2つ目の経営課題である「産業連携」について、佐藤社長は「自動車産業が厳しい事業環境に直面する中で、国際競争力の強化を図るために、業界連携の実践的な取り組みを加速することが求められている」とした。
佐藤社長は2025年5月から経団連の副会長に、2026年1月から日本自動車工業会の会長に就任しており、「トヨタの社長ではない面でも果たすべき役割が大きくなった」ことから、社長職を離れることになった。今後は、佐藤社長が副会長・CIOとしてトヨタを含む自動車産業全体と向き合い、近氏が社長・CEOとして社内に軸足を置く体制をとる。
前任の豊田章男氏は約14年間社長として在籍した。就任から3年の社長交代について、佐藤社長は「まだ3年と短く、社長にこだわりたい自分もいた。自動車業界の変化のスピードはかつての時間軸では測れない。現場で頑張る従業員に、もっといいクルマをつくらせてあげたいが、トヨタの中だけで頑張っても実現できる時代ではない。自分がいるべき場はどこか考え、役員人事案策定会議からの提案を受け入れた」とした。
近氏は「トヨタは一生懸命クルマづくりをしており、それにより培った蓄積も多いが、過去のやり方や方程式にのっとった考え方になってしまう面もある。新しいビジネスという視点では、これまでとは違ったやり方をしないといけない。ウーブン・バイ・トヨタで、少し離れてトヨタを見たことで得た知見や経験を生かしていきたい」と話した。
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