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ハンカチ王子はこのまま“終焉”を迎えるのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
ハンカチ王子こと斎藤佑樹投手が、再び一軍のマウンドに立つ。今季でプロ5年目。これまで目立った活躍をしていない彼に残された道は、結果を出すことしかない。果たして……。
“スイッチ”が入ることを期待している
結果を残せていない斎藤が今回一軍に昇格して先発起用されるのは、先発の駒不足と過密日程が重なったチーム事情も絡んでいる。だが必ずしも、そこだけが理由ではない。栗山監督、そして日本ハムのフロント上層部はこのタイミングで一軍再昇格を果たす斎藤にイチかバチかで“スイッチ”が入ることを期待しているのだ。それは指揮官が、この8月に斎藤を一軍昇格させることについて報道陣から質問を受けた時に「そう、彼の季節だね」と答えたコメントにも実は非常に深く関係している。
彼の季節――。これは言うまでもなく、先にも記したように9年前に斎藤が全国高校野球選手権大会を制した「夏」の意味を指す。つまり栗山監督ら現場スタッフ、そして日本ハムのフロント上層部は母校も甲子園出場で戦う今夏8月のタイミングだからこそ斎藤が覚醒するか否かの“最後の賭け”に出ようとしているのだろう。
後輩たちの熱き戦いを見れば、きっと心の奥底にあった当時の記憶は蘇ってくる。9年前、自分は誰よりも間違いなく光っていた。現在ヤンキースのローテーション投手にまで上り詰めた田中に当時、自分はしっかりと投げ勝ったのだと――。
かつての栄光の時代がハッキリと思い起こされれば、ここ数年、ずっと失われていた自信を取り戻し、今までにないマウンドでの姿を見せてくれるかもしれない。斎藤の一軍昇格を決めた栗山監督も、そういう思いでいるはずだ。
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