社員は会社の仕組みを「間借り」している(1/3 ページ)
あなたは何をもって会社から給料をもらっているか? このように聞かれて、うまく答えることができる人は少ないのでは。本コラムの著者・泉本行志さんによると……。
著者プロフィール:泉本行志(いずもと・たかし)
サンダーバード国際経営大学院卒業(MBA取得)。外資系大手経営コンサルティングファーム、外資系大手IT企業、ベンチャー企業での事業立ち上げを経て、株式会社アウトブレイン社を創業。現在はロジックと感情を融合した思考法を活用し、事業アイデアの立案・戦略策定・業務改善コンサルティング、問題解決手法の教育プログラムを開発・提供している。ブログ「Knowledge Bridge (知見を繋ぐ・感情を伝える〜)」
コンサルタントとしてクライアント企業の中に入り込んで仕事をしていると、 時々、その会社の社員の人たちが、いわゆるサラリーマン的な愚痴を言ってるのを耳にします。
「お客さんは俺に月単価○○円払っているのに、うちの会社はどんだけピンハネしてるんだ!」「あの人事部長はほとんど仕事してないくせに、給料泥棒だろう」みたいなやつです。
確かに低賃金化が社会問題になってたりはするけど、今回はそんなマクロ的な話をしたいわけではありません。また、もう会社にぼったくられるのは辞めて、早く独立起業しようぜ! 的は話をするつもりもありません。逆にいえば、上に書いた愚痴のようなことを単純に思っている人は、独立起業するだけのビジネス・経営に対する知識がまだないといえます。
今回は「あなたは何をもって会社から給料をもらっているか」ということについて、少し考えてもらいたいと思います。
既に独立していたり、事業を自らやってる人は、おそらくこれから話す内容は、理解しやすいのではと思います。一方、サラリーマンマインドの人は、今回の話に少し違和感を覚えるかもしれません。まずは心をオープンにして考えてみてください。
あなたの勤める会社は、あなたの何に対して給料を払っているか? それは「あなたの持つ資産」に対してお金を払っています。ここでいう資産というのは、あなたの能力・スキル・経験であったり、あるいは人脈だったりします。
では今度は、あなたは会社の何に対してお金を払っているか? 「自分が会社にお金を払ってる」? これはどういうことか。
会社は、あなたの資産(能力・スキル)を活用(配置)して、会社全体として儲けを生む仕組み(システム)を構築しています。その一方、あなたはその会社の仕組み(システム)を利用すること、つまり、その仕組みの一部を間借りをすることで収入を得ています。
ちょっと分かりにくいかもしれませんね。これをもう少し説明するために、私が3年くらい前書いた事業設計に関するメール講座から引用してみましょう。
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