コラム
甘くみてはいけない――職場における「熱中症対策」:熱中症の症状は3段階(3/5 ページ)
まだまだ暑い日が続き、熱中症へのケアが求められます。今回は、事業場での熱中症予防策や症状を訴える労働者が出たときの対応などについて解説します。
3. 健康管理
労働者に対する健康管理としては、次のような事項に留意します。
- (1)健康診断結果に基づく対応
健康診断での異常所見者について、医師などの意見に基づく適切な就業上の措置を徹底し、熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患を治療中の労働者についても医師の意見を勘案し、必要に応じて就業場所の変更、作業の転換など適切な措置を行います。
なお、熱中症の発症に影響を与えるおそれのある疾患として、糖尿病、高血圧症、心疾患、腎不全、精神・神経関係の疾患、広範囲の皮膚疾患などが挙げられます。
- (2)日常の健康管理など
睡眠不足、体調不良、前日などの飲酒、朝食の未摂取、感冒などによる発熱、下痢などによる脱水などがないように、日常の健康管理について指導するとともに、必要に応じて健康相談を行うようにします。
- (3)労働者の健康状態の確認
作業開始前・作業中の巡視などによって、労働者の健康状態を確認するとよいでしょう。
- (4)身体の状況の確認
休憩場所に、体温計を備えるなど、必要に応じて体温等その他の身体の状況を確認できるように努めましょう。
なお、次の兆候がある場合には、熱にさらされる状況を回避する必要があります。
- 心機能が正常な労働者については、1分間の心拍数が数分間継続して、180から年齢を引いた値を超える場合
- 作業強度のピークの1分後の心拍数が120を超える場合・休憩中などの体温が、作業開始前の体温に戻らない場合
- 作業開始前より1.5%を超えて体重が減少している場合・急激で激しい疲労感、悪心、めまい、意識喪失などの症状が発現した場合など
4. 労働衛生教育
作業を管理する者や労働者に対して、熱中症の症状、熱中症の予防方法、緊急時の救急処置、熱中症の事例について労働衛生教育を行いましょう。
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