インタビュー
カーシェア事業で、なぜ「パーク24」だけが黒字化できたのか:水曜インタビュー劇場(カーシェア公演)(5/8 ページ)
カーシェアリング事業の早期黒字化は難しいといわれている中で、パーク24が事業を始めてわずか5年で黒字を達成した。その理由を探っていくと、興味深い話が……。
トニックがスゴい
土肥: なるほど。ただ、ちょっと厳しい言い方になりますが、それって想像できる話ですよね。ビジネスシーンに派手な色のクルマは、そぐわないとか。
内津: トニックのスゴいところは、それだけではありません。駐車場には使えなくて、カーシェアに使えるデータがあるんですよ。
土肥: な、なんですか。それは。
内津: 駐車場の場合、基本的に稼働状況しか分かりません。どういった人たちが使ったのか、細かい情報をなかなか分析できないんですよね。「タイムズクラブ」という会員組織があるので、駐車場を利用するときにそのカードを使っていただければ情報を分析することができるのですが、すべての人が使うわけではありません。
一方、カーシェアの場合、入会するときに個人情報を入力しなければいけません。クルマを予約するときに情報がひもづいてくるので、どういった人たが、いつ、どこへ行ったのかが見えてきました。
土肥: ちょっと待ってください。「どこへ行った」まで分かるのですか?
内津: カーナビをご利用される人が多いので、行き先をセットすればその情報を分析することができます。またカーシェアの場合、エンジンをかけた時点で利用がスタートするので、予約時点でカーナビに行き先をセットする人が多いんですよね。
土肥: でも、パーク24にとっては、客がどこに行こうが関係ないですよね。要は、クルマを利用していただけるかどうかだけ。
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