人生における3つの寿命
人生においては、3つの寿命があることをご存じですか? みなさんが知っている命が尽きるときの年齢(いのちの寿命)だけではないのです。「いのちの寿命」のほかに、「仕事寿命」と「健康寿命」があります。
例えば、サラリーマンのAさんが60歳で退職したとしましょう。この60歳が、「仕事寿命」で、働き続ける期間をあらわしています。その後、Aさんは脳梗塞を起こし、63歳で寝たきりの生活になってしまいました。この63歳までが、「健康寿命」で、介護を必要としない期間を指しています。
実は最近、働き盛りのみなさんが、突然の病気で40・50代で仕事寿命を終え、さらに健康寿命までも縮めてしまうケースが増えています。その場合の多くが、「まだ住宅ローンが残っているのに、家族の生活はどうしたら良いか」などの経済的問題を含め、さまざまな不安を抱える結果となってしまうのです。
もし、あなたが「仕事寿命」や「健康寿命」を伸ばしたいと思うなら、「テロメア」(※)が1つの大切な要素となります。テロメアとは、老化に関連する染色体のこと。この「テロメアの長さ」は、生活習慣によって変化し、短い人は心臓病、ガン、糖尿病、骨粗しょう症などになりやすい傾向があると言われています。
日本の研究で、未加工の食品を多く含む食事を摂り、適度な運動とストレス管理を行った結果、5年間でテロメアの長さが伸びたことが報告されています。アメリカの研究では、短い期間の生活改善でも、テロメアを伸ばすことができたという報告があります。
つまり、「人生における3つの寿命」は、あなた自身の生活習慣によって変化する「テロメア」にかかっていると言えます。
「仕事」「健康」「いのち」の、あなたの望む3つの寿命は何歳ですか?
関連記事
- 見た目でジャッジされている!? 自分のからだを評価しよう
戦うためのからだづくりは、鏡に映った自分を客観的に知ることから始まります。 - 自分自身の情報、約7割が「知りたい」
ウェアラブル端末や遺伝子検査など、デバイスや解析技術の発展によって、これまで知ることができなかった自分自身の情報について、どのように感じている人が多いのだろうか。博報堂生活総合研究所調べ。 - 夜勤は健康によくない、その理由の一端が明らかに!?
夜間のシフトで働くと乳がんや前立腺がんのリスクが高まるということが報告されています。 - 健康的な運動量ってどのくらい?
「健康になるためには運動」――よく聞く言葉ですが、一体どのくらい運動するのがいいのでしょうか? また、やりすぎるのは良くないのでしょうか? - 健康な人を「病気」に仕立て上げる「高血圧マフィア」とは
「高血圧マフィア」という言葉を聞いたことはあるだろうか。学会などに潜り込んで、「高血圧」の基準値を引き下げるために暗躍する者たちのことだが、彼らの“活躍”によって、大きな問題が浮き彫りになった。それは……。 - 疲労が及ぼす健康へのリスクとは
新年度を迎えてやる気いっぱいだったのが、連休明けには気力がわかない――。その原因は「疲れ」かもしれません。今こそゆっくり体を休ませてあげましょう。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.