「どんな人がタイプ?」といった“恋バナ”ができなくなる(かも) 職場のLGBT問題:水曜インタビュー劇場(LGBT公演)(2/7 ページ)
「彼氏いるの? どんな男性がタイプ?」――。日常的に交わされているこうした会話が、数年後NGになるかもしれない。その理由は……。
「LGBT」は4パターンの話ではない
土肥: 「LGBT」という言葉を聞いても、ピンとこない人がまだまだ多いように感じています。「自分の周囲にはいない」「ゲイバーとか夜の世界にいるだけ」といった感じで。でも、実際は違うんですよね。
村木: 東京都の人口は1323万人(平成22年国勢調査)で、15歳から64歳は898万人。LGBTが固めに見積もって人口の5%だとすると、約45万人いるんですよね。この数字を聞いて「多いなあ」と感じるかもしれませんが、当事者だけを考えてはいけません。当事者の家族、友人、知人を含めるとかなりのボリュームになります。
土肥: また、誤解をされている人も多いのではないでしょうか。LGBT=オネエとか……テレビに出てくるいわゆる“オネエタレント”を想像して。ワタクシも取材をする前まで、LGBTって文字通り4パターンの話かなと思っていたのですが、実は違う。
電通ダイバーシティ・ラボが「カラダの性別」「ココロの性別」「好きになる相手・恋愛対象の相手の性別」の3つの組み合わせで分類していて、それによると「12パターン」あるんですよね。
電通ダイバーシティ・ラボの図をみると、「カラダの性別」「ココロの性」は男女だけですが、ここに「両方(両性)」を加えると、「27パターン」になるんですよね。
村木: ですね。実際には性のあり方はグラデーションになっていて、分類できるわけではないのですが。カラダの性別、ココロの性別、好きになる人の性別、これをごっちゃに考えてしまう人が多いですね。また「オカマ」「ホモ」「おとこおんな」「オネエ」「レズ」「両刀使い」「ニューハーフ」といった呼び方をされる人がいますが、当事者にとっては侮辱的なニュアンスを含むことがあるので、注意が必要なんです。当事者が「自分はオネエ」と言っているケースもありますが、すべての当事者が同じ感覚ではありません。「同性が好きな人は性別を変えたいんだろうなあ」と思っているかもしれませんが、必ずしもそうではありません。まず「性のあり方は1人1人違う」という認識が必要なのではないでしょうか。
土肥: 女性的な発言や仕草をしている男性に向かって、「お前はオカマか」とか「オネエみたいだな」とか、このようなことを言う人ってたくさんいると思うんですよ。でもLGBTは5〜7%いる……ということを考えれば「オカマ」「オネエ」といった発言を近くで聞いている可能性がある。
村木: なので、侮辱的なニュアンスを含む発言は控えたほうがいいんですよね。
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