「どんな人がタイプ?」といった“恋バナ”ができなくなる(かも) 職場のLGBT問題:水曜インタビュー劇場(LGBT公演)(3/7 ページ)
「彼氏いるの? どんな男性がタイプ?」――。日常的に交わされているこうした会話が、数年後NGになるかもしれない。その理由は……。
職場でもLGBTの問題が起きている
土肥: 職場でもLGBTの問題が起きていると思うのですが、どのようなことが起きているのでしょうか?
村木: 先ほどの「オカマ」「オネエ」発言のように、職場でも当事者たちを揶揄(やゆ)するような言動があります。私たち(虹色ダイバーシティ)が行った調査によると、当事者の約7割は「差別的言動を受けたことがある」と回答しています。差別的言動は「ここでは絶対に言えない」という無形の圧力になるので、日常的にストレスが高く、うつ病を患って会社を休むようなケースもあります。
誰と過ごしているのか、どんな人と仲がいいのか、どんな映画が好きなのか――。セクシュアリティ(性のあり方)を勘付かれないようにする生活って、実はものすごくストレスを感じるんですよ。このようなことを言うと「会社には相談窓口がありますよね。そこに相談すれば?」といった声を聞くのですが、人事、総務、上司、同僚……この人たちに相談しにくいことが多い。なぜか。言っていいのか、分からないんですよ。実際、相談をきっかけにイジメを受けるようになったケースもあります。現状、相談窓口はあってもリスクが高くて機能していないと思います。
土肥: 男女雇用機会均等法のセクハラ指針が見直され、2014年7月以降は「男性から男性へ」「女性から女性へ」の性的な言動もセクハラと明示されました。また、LGBTへの差別的な言動もセクハラに該当するとのことです。でも、このことを知らない人が多いのでは?
村木: だと思います。テレビを見ていると、オネエのタレントがふざけて周囲の男性を触ったりするシーンがあるので、「LGBTってあんな感じね」と想像されている人も多いかもしれませんが、現実にそんなことが起きているでしょうか?
土肥: 見たことも、聞いたことも、経験したこともないですね。
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