「どんな人がタイプ?」といった“恋バナ”ができなくなる(かも) 職場のLGBT問題:水曜インタビュー劇場(LGBT公演)(4/7 ページ)
「彼氏いるの? どんな男性がタイプ?」――。日常的に交わされているこうした会話が、数年後NGになるかもしれない。その理由は……。
「彼氏いるの?」という質問
村木: 同性間のセクハラというと、会社の上司がゲイの当事者に「これから風俗行かないか? えっ、興味ないの? お前、オカマかっ!」と言ったり、「お前、彼女いるのか?」としつこく聞いたり。実際には、LGBT当事者が周りの人から受けるケースのほうが、圧倒的に多いと思います。
土肥: ちょ、ちょっと待ってください。結婚をしていない人に向かって「お前、まだ結婚しないのか?」と聞くのは、よくないなあという雰囲気が広がっていると思うんですよ。でも「彼女いるの?」「彼氏いるの?」って、日常会話のように聞いていますよ。
村木: 繰り返しになりますが、LGBTは5〜7%います。会社の隣の席に当事者がいる可能性があるので、「彼女いるの?」「彼氏いるの?」というコミュニケーションは注意が必要です。「付き合っている人いるの?」に言い換えたほうがまだいいかもしれませんね。その職場が、同性と付き合ったり、無性愛(特定の人を好きにならないというあり方)だったりする人がいることが当たり前のこととして受け入れられている状況でないと、「彼氏/彼女」という聞き方がその人のアイデンティティに触れる質問になってしまいます。
当事者以外の人でも「彼女いるの?」「彼氏いるの?」と聞かれて、嫌だなあと感じている人は多いのではないでしょうか。このほかにも結婚生活の話とか子育ての話などを嫌だなあと感じている人もいます。きっと相手ともっと仲良くなりたくてしている質問ですよね? しかし、現状では、こうした話題によってコミュニケーションにストレスを感じてしまう人もいることは意識する必要があると思います。
土肥: でも、必要以上に規制してしまうと“言葉狩り”になりませんか。
村木: 「この言葉を言ってはいけない」ということではないんです。「こういうことを言えば不快に感じる人がいる」ということをちょっとだけでも認識することが大切なんです。当事者と非当事者でセクハラに関するアンケートを行ったところ、セクハラへの感度に大きな差があるんですよね。もちろん当事者によっても感度は違っていて、「一切ダメ」という人もいれば、逆にそういう話が「好きだ」という人もいます。ちなみに、当事者である私は、いわゆる“恋バナ”は大好きですけどね(笑)。
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