インタビュー
「どんな人がタイプ?」といった“恋バナ”ができなくなる(かも) 職場のLGBT問題:水曜インタビュー劇場(LGBT公演)(5/7 ページ)
「彼氏いるの? どんな男性がタイプ?」――。日常的に交わされているこうした会話が、数年後NGになるかもしれない。その理由は……。
“負のスパイラル”に陥る
土肥: LGBTの人たちにアンケートを行ったところ、職場の誰かにカミングアウトしている人は「勤続意欲が高い」という結果が出たそうですね。これはどういう意味でしょうか?
村木: カミングアウトする人の多くは、誰彼構わず言っているわけではありません。分かってくれそうな人を、慎重に選んでいます。「周囲に理解者がいたので、打ち明けることができた」という話も聞きます。そりゃあそうですよね。誰も理解してくれなさそうな職場では、怖くてカミングアウトなんかできません。理解してくれる人がたくさんいるところでは、当事者も「この会社でがんばってみようかなあ」と感じるのではないでしょうか。
土肥: 「彼女いないの?」「男らしくないなあ」といった言動を好まない人たちがいる。そうなると「もうこの人とはあまり関わらないようにしよう」「自ら話かけることは止めよう」となる。そうしたコミュニケーション不足が原因で、職場イジメが起きるかもしれない。そうなると、「会社で働きたくないなあ」とモチベーションが低下してしまう。
いわば“負のスパイラル”に陥ることになりますが、これは会社にとっても損失を抱えることになるのではないでしょうか。モチベーションが低下すると仕事の生産性が低下するだけでなく、ひょっとしたらその人は転職するかもしれない。もしその人が営業成績トップであれば、会社はLGBTにきちんと対応しなかったことが原因で、機会損失することになりますね。
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