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なぜGEは“システム思考”を全社に浸透できたのか?:有識者対談(3/3 ページ)
あらゆる企業から経営のお手本とされる米GE。同社が今なお輝きを放ち続ける理由はさまざまだが、その一因として「システム思考」の実践が挙げられるという。具体的にどういうことなのだろうか……?
トップダウンで推進
嶋田: では、システム思考を企業に浸透させるにはどうすればいいかというと、ボトムアップで若い社員がいきなり始められるかというと難しいでしょう。やはりウェルチ氏など優秀なリーダーがトップダウンで推進していくものだと思います。
最近は日本企業も変わってきていて、こうした新しい取り組みを許容する風土も生まれています。実験的に始めて成果が出れば、それを組織全体に広げていこうという会社も増えてきました。当然、企業も今まで通りで良いとは決して思っていないのですから。
小田: 組織が長く続くためには、寛容性がカギだと言われることが多いです。寛容性のある企業はコアのアイデンティティをしっかりと持っています。共通の価値観を持ち、それさえぶれなければ自由にやっていいよという会社は強いです。
嶋田: 一方で、規則で縛るような組織はダメでしょう。そうした会社が強いというのはあまり聞いたことがありません。
小田: 目まぐるしく変化するこの時代において、経営トップ一人だけの力でグローバルな事業環境でかじ取りができるかというと大変難しい。だからこそ、企業全体にシステム思考を取り込んでいく必要があるのです。
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