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「名将」の予感を漂わせる、ソフトバンク・工藤監督の“人心掌握術”:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
プロ野球の福岡ソフトバンクホークスがパ・リーグ連覇を成し遂げた。就任1年目の工藤公康監督は、どのような手法でチームを引っ張って来たのか。手腕と人間性に迫ってみた。
フォア・ザ・チームの精神を人一倍強く持つ
今だから明かすが工藤監督には就任当初、不安要素を抱いていた。専門分野の一軍投手コーチに9歳年上の佐藤義則氏と年下とはいえわずか2歳違いの吉井理人氏が就くことになったからだ。両者ともに一軍コーチ経験があって一流投手を育成した過去の実績があるだけに、指導者として経験ゼロの工藤監督とのパワーバランスがどこかで崩れて衝突してしまうのではないかと危惧していた。しかし、それも結果として杞憂(きゆう)に終わった。
フォア・ザ・チームの精神を人一倍強く持つ人であることをすっかり忘れてしまっていた。その昔、現役時代の工藤監督から「言うべきところで言うのももちろん大切だが、時によっては一歩引かなきゃいけないところもある。人間は1人では絶対に生きていけないんだ。それは肝に銘じなければいけない」という金言を直接聞いたことがあったにも関わらず、誠に恥ずかしい限りである。
工藤流の人心掌握術はビジネスの世界で活躍する方々にも大いに参考にすべきところがあるのではないだろうか。いずれにしても、工藤監督が名将への階段を就任1年目から数段飛ばしでステップアップさせていることは間違いない。
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