コンビニのアルバイトが、集まらない事情:ご一緒に“おでん”いかがですか 2(3/4 ページ)
ここ数年、どのコンビニでもアルバイトが集まりにくいと聞いているが、最近はさらに状況が厳しくなってきているようだ。今回は、コンビニにおけるアルバイトの人材不足の現状について。
完全失業率とアルバイト人口の関係
1つ気になるデータがある。完全失業率だ。
若年層の失業率は、労働人口と呼ばれる15〜64歳より高い数値を示しているものの、直近では減少が見られる。
これは筆者の推測だが、失業率の減少はアルバイト人口の減少とも関係があると思っている。失業者が増えれば「ヒマなんでアルバイトでも……」と考える人も少なくないからだ。逆に言えば、景気が良くなればアルバイトをする人が減るだろう。
時給と労働環境についても注目したい。労働環境と言っても、先述した人間関係とは別の要素で問題がある。下記のグラフを見てほしい。
厚生労働省の「最低賃金全国一覧」と、日本フランチャイズチェーン協会の「過去のコンビニエンスストア統計調査」をもとに、過去10年間のコンビニの平均売上と全国平均最低時給の推移だ。全てのコンビニが最低時給で設定しているわけではないが、時給を決める基礎となっているのは確かである。
グラフを見ると、平均最低時給は上がっているが、売り上げもそれに連動して上がるとは限らない。つまり、これは「人を雇えなくなってきている」ことを意味している。
コンビニに限らず、経費の一番大きな割合を占めるのは人件費だ。売り上げと利益率が変わらないかぎり、時給の上昇はダイレクトにオーナーの収益を圧迫する。
オーナーの収益を減らさないためには使う人件費を減らさなくてはならないが、コンビニのサービスが向上し便利になるにつれ業務は増え、複雑化してきている。同じ人件費をかけるとすれば、アルバイト1人当たりの労働負担が増えることは言うまでもない。サービスの向上がうたわれるコンビニの労働環境は明らかに激務化していると言える。
人口の減少に加え、労働環境の激務化――。新規店舗とはいえ、応募人数が減るのは必然的な流れなのかもしれない。
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