“乱セ”の裏で勃発した巨人の監督問題――その裏側にあるモノとは:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/3 ページ)
“乱セ”に終止符が打たれようとしている一方で、巨人が大きく揺れている。某スポーツ紙が「原監督V逸なら解任も」と報じたが、その裏には関係者のさまざまな思惑が交錯しているようだ。
巨人の内部で何が起こっているのか
実際に原監督は今のところ同紙に何の抗議の意思も示しておらず、これまでと同様に今も現場で取材を受けている。もし自分の意思に反した記事であれば内心穏やかであるはずがなく、同紙に文句の1つや2つは口にするであろう。それが一切ないとなると、やはり「?」と思わざるを得ない。
では現在、巨人の内部で何が起こっているのか。どうやら原監督の続投に難色を示す球団関係者が多いことは間違いないようだ。第14、16代監督を歴任した昨季までの通算11シーズンで日本一3度、リーグ優勝も7度達成した手腕は疑いようがない。しかしながら、その長期政権による「歪(ひずみ)」が生じてきたのも事実。
これまでは球団主導で一軍スタッフに指揮官よりも年上のヘッドコーチを“ストッパー役”として招へいするなど、ある程度のバランスを保ってきたが、ここ最近は原監督の発言権が大きく増したことでそれもままならなくなりつつあると聞く。外国人選手の獲得など編成面に関して球団内から異論や反論が出たとしても指揮官自らが「是が非でも欲しい」と言えば、それを押し切れてしまうだけの強大な力が今の原監督にはあるというのだ。
最近で言えば今季開幕直後の4月末に途中加入し、長距離砲として期待されながら、まったくの泣かず飛ばずに終わった「人間扇風機」ことホアン・フランシスコ内野手がいい例である。この外国人選手は球団主導で獲得したとの報道も一部であったが、実際のところは違うようだ。当時の球団GMら幹部はフランシスコ獲得に異論を唱えたものの、事前のビデオチェックまで行ってほれ込んだ原監督の強い希望によって獲得強行に至ったというのが真相らしい。
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