累計12億冊! 知られざる「ジャポニカ学習帳」のスゴさ:水曜インタビュー劇場(学習帳公演)(5/7 ページ)
小学生のころに「ジャポニカ学習帳」を使ったことがある人も多いのでは。45年前に誕生して、累計販売数はなんと12億冊以上。半世紀に近くにわたって、なぜジャポニカ学習帳は支持され続けているのか。
ノートのあり方が変わっていくかも
土肥: 子どもが興味を持ちそうな話を取り上げているわけですが、難しくないですか。
小原: とても難しいですね。基本的なことはあると思うのですが、考えれば考えるほど難しい。また、外部環境によって子どもたちの興味も少しずつ変化するんですよね。例えば、PC、スマホなどは、昔は存在していませんでしたが、今の子どもたちには身近なモノになっています。
土肥: スマホを紹介するのは、難しいのでは。「やれやれ編集が終わったーっ♪」とホッとしても、次々に新しい機能が搭載されるので、回収のリスクが高くなる。ところで、昔と今では編集方針に違いがあったりしますか?
小原: 先ほども申し上げましたが、ジャポニカ学習帳は百科事典とのコラボによって誕生しました。世の中にあるさまざまな情報を掲載してきましたが、今の時代はちょっと不足気味かなあと感じています。
土肥: どういう意味でしょうか?
小原: インターネットが普及しているので、子どもたちもPCやスマホを使えば、簡単に情報を手にすることができます。なので、情報を提供するだけでは、意味がなくなってきました。また、以前はコップを単なるコップとして見ていましたが、今の教育はコップをいろんな方向性から見ましょうね、という方針になってきました。なので、コップが目に前にあったら、そのコップは何でできているのか、コップと皿の違いは何か、といった感じでいろんな角度からモノを見れるような……学習帳にそんなニュアンスを盛り込めないかなあと考えています。
土肥: 学校の授業の中でタブレット端末を使う動きが広がってきましたが、そのことによってノートにも変化が出てくるのでしょうか。
小原: 変わるかもしれません。低学年のノートはそれほど変わらないと思っています。例えば「文字を真っすぐに書きましょう」とか「漢字をしっかり書きましょう」とか訓練に近い部分は変わらなくて、そこから先の「情報を活用しましょう」とか「グループディスカッションをしながら答えを出そう」とか、そういった部分について対応していくために、ノートのあり方が変わっていくかもしれません。
土肥: ふむふむ。
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