残念な結果に終わった広島カープ――続投の緒方監督はどっちのタイプか?:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/4 ページ)
セ・リーグの優勝候補に挙げられていた広島カープが残念な結果に終わった。ファンの間からは「緒方監督辞任」を求める意見が多数ある中で、本人はユニホームを脱ぐ意思はなく、来季も続投。しかし、組織のトップは結果を残せなければ責任を問われ……。
“負け惜しみ”のような強気な言葉
緒方監督と球団の契約年数は単年。昨オフにヘッド格の野手総合コーチから内部昇格し、現職に就いた緒方監督は昨年11月25日、松田オーナーとともに広島県庁を訪問した際、湯埼英彦知事の前で「(チームの)成績が悪ければ、責任を取る覚悟です」と言い切っていた。しかし、松田オーナーからはこれに異を唱えられる形で「5年はやってもらう」とのお墨付きを得たので、その言葉に甘えてしまったのだろうか。それとも「4位」という結果は緒方監督の中で「悪い成績」には当たらないのだろうか。もしくは口先だけだったのだろうか――。
まさか、この件に関して緒方監督は「忘れた」と言えないはずである。それだけに、さまざまな疑問がどうしても拭(ぬぐ)えない。
まだある。今季最終戦となった10月7日の中日戦(マツダスタジアム)で勝てば3位浮上でCS出場権をつかめる大事な一戦だったものの0-3で黒星。どの球団でも本拠地最終戦は試合後のセレモニーで監督挨拶が行われるのが通例だ。ところが試合後の緒方監督はマツダスタジアムに詰め掛けた3万2000人を超えるファンに挨拶をすることなくグラウンドを後にし、スタンドから罵声を浴びせられた。その後に行われた報道陣の囲み取材では「4位になったがチームは後退したとは思わない」と“負け惜しみ”とも取れるような強気の言葉を口にし、ただでさえ怒り心頭だった赤ヘル党の神経をますます逆撫(さかな)でさせてしまった。
その「囲み取材」といえば今季開幕直後、チームが急失速し始めた時にこんなトラブルも起こっている。試合後は自分から一方的にしゃべり出し、報道陣が質問する前にその場を立ち去る――。そういう対応を毎回のように続けていた緒方監督には当然のように報道陣から「厳しい質問を浴びせられ、答えに窮するからじゃないのか」との疑念が向けられ、ブーイングも沸き起こった。さすがに球団側もこの状況については“まずい”と思ったようで報道陣側からのクレームを受けて緒方監督に申し入れを行い、後々に改善されたと聞く。
当コラムでは今季開幕直前に緒方監督の人物像にスポットを当てて評価し、その手腕に大きく期待する内容でまとめたことがあった(関連記事)。今季は新米監督ながら2010年から昨季まで一軍コーチとしてベンチ入りしており、歴代の監督たちの采配を生で体感する機会にも恵まれ、まさに満を辞しての指揮官就任だったことにも触れた。とはいえ、その期待した今季1年が「惨敗」に終われば、大きく批判されるのは当然の流れだ。筆者も看過するわけにはいかない。
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