連載
阪神の救世主となるか 新監督「鉄人」の知られざる努力と忍耐:赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)
阪神タイガースの新監督に、金本知憲氏が就任した。かつてチームの精神的支柱としてその名を轟かせたが、球団側は新指揮官として、いったいどんな役割を期待しているのか。
「実を言うとカネ(金本氏)は入団した直後から“このままではまずい”と危機感を覚えて、目の色を変えていた。1年目、2年目と結果は出なかったが、どんどん練習量を増やし続けて地道な筋力トレーニングに励み、朝から晩までバットを振り続けていた。入団3年目の春季キャンプで先輩選手から『いつまで練習しているんだ? 本当に死んでしまうぞ!』と言われたら真顔で『死んでもいいです』と返したこともあったそうだ。
ああいうストイックなプロ野球選手は今の時代、まずいない。“絶対に悔しい思いをしたくない、負けたくない”という思いだけで死に物狂いの努力を重ね、無名からスーパースターの地位をつかんだ。彼はそういう男なんですよ」
過去に指導者経験のない金本氏の手腕を問う声は少なくない。だが底辺から這(は)い上がって球史に語り継がれる名選手となった「努力」と「忍耐」は簡単に真似のできるものではなく、これは同氏しか身につけていない大きな財産であろう。それらを1人1人の選手たちに少しでも伝授することができれば、きっと阪神は生まれ変わる。果たして猛虎の意識改革は成し得るのか。金本阪神に注目したい。
関連記事
- “ハンカチ王子”斎藤佑樹の人気はなぜ凋落したのか
かつて“ハンカチ王子”として脚光を浴びた日本ハム・斎藤佑樹投手の人気が凋落している。成績がパッとしないから仕方がない部分もあるが、なぜKYな言動を繰り返すのか。その裏にあるのは……。 - 年俸4億円を“持ち逃げ”……松坂大輔に生じる「説明責任」
ソフトバンク・松坂大輔投手が「残念な人」になってしまった。右肩関節の手術が終わると、日本を離れて「ハイ、サヨウナラ」。年俸をもらっている「プロ」なのだから、メディアを通じてファンに説明する責務があるのでは……!? - 新天地でも“転校生”ではない、イチローのハイレベルな「EQ」
メジャー15年目のシーズンを迎えたイチロー選手は、今季から新チームに合流。新天地なので苦労するのでは? と思いきや、チームメートと楽しそうに会話をしている。“転校生”のような立場なのに、なぜすぐにチームに溶け込むことができたのか。 - メディアに対して「見返してやる」――40歳、上原の“反骨心”
ボストン・レッドソックスの守護神として上原投手が活躍している。米メディアの間では、“ウエハラ争奪戦”がぼっ発する可能性を報じているほど。恐るべし40歳の原動力は、どこから生じているのか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.