トヨタは本気で変わろうとしているのかもしれない:池田直渡「週刊モータージャーナル」(4/4 ページ)
かつてトヨタを取材したときに担当者が発した忘れられない言葉がある。それから20年以上経った今、トヨタは大きく変わったと感じている。
この46項目は筆者の目から見る限りほぼ全て正しい。「ほぼ」というのは「開発は喧嘩だ」のような、エンジニアリングの話ではない精神論も織り交ぜられているからで、そこはまあ「広告だから」と見逃すべきところだろう。
しかし、本当にこうなったら喜ばしい限りである。少なくとも、これらを読んでから筆者のトヨタに対する期待は高まるばかりである。かつて「大事なのはスタイルだけだ」とドライな発言をしたトヨタが、あれもこれも欲張って、全てを良くするために人知れず努力を重ね、しかもその努力の中身を広告でぶちまけるとは心底意外である。意外だがとても好もしい。あまりに素晴らしすぎて本当にそんなことができるのかと疑う気持ちがいまだにわだかまっているのも確かだ。
フォルクスワーゲンの敵失で、トヨタは恐らくしばらく王座を維持することになるだろう。TNGAによるクルマ作りが本当にこの46項目を満たすものになるのだとしたら、それは世界一のメーカーにふさわしい。
筆者はトヨタのニューモデルに大いに期待して待っている。そしてもし新型車がそういうものでなかったら、池田直渡がどう騙されたかについて原稿を書きたいと思う。
筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)
1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。
現在は編集プロダクション、グラニテを設立し、自動車評論家沢村慎太朗と森慶太による自動車メールマガジン「モータージャーナル」を運営中。
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