キャセイパシフィック航空が70機目のボーイング777を受領:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(1/4 ページ)
キャセイパシフィック航空は2015年9月、70機目となるボーイング777を受領した。同社の国際線ネットワークの拡充と、その戦略における777の位置付けを考察する。
ボーイング777のアジア最大の運航会社であるキャセイパシフィック航空は2015年9月、記念すべき70機目の777を受領した。オーダー済みの777では最後の1機、航続距離延長型の777-300ERとしては53機目の受領だ。
開発中の次世代機777-9Xも同社は21機発注しているが、これが完成して納入されるのは2021年以降になるため、当面は長距離国際線の主力機材として777-300ERが中心的役割を果たしていくことになるだろう。
長距離国際線の花形機種
従来は3基か4基のエンジンが必要だった大型機でも、エンジンそのものにハイテクが導入されて進化し、2基でも必要な推力が得られるようになった。その結果、大型で航続性能にも優れた双発機が登場。中でも双発機の可能性を先頭に立って切り開いてきたのが「トリプルセブン」の愛称で親しまれる777シリーズである。
この777シリーズのうち、キャセイパシフィック航空は標準型の-200と胴体延長型の-300、さらに長距離型の-300ERの3タイプを保有・運航している。全70機のうち53機までが、航続距離を伸ばした777-300ERだ。
一時期はジャンボ機747-400が“空の主役”として君臨していたが、現在は欧米線などを中心に国際線の花形として777-300ERが活躍を続けている。キャセイパシフィック航空が777-300ERの1号機を受領したのは2007年9月。同社のアイヴァン・チュー最高経営責任者は「777はわが社の運航機材の近代化とネットワーク拡大に重要な役割を果たしてきました。私どもの拠点である香港国際空港のハブ機能の強化・拡充は、777の活躍に支えられてきたと言っても過言ではありません」と述べている。777-300ERを積極活用することで、同社は世界約200の都市に翼を広げてきたのだ。
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