連載
キャセイパシフィック航空が70機目のボーイング777を受領:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(2/4 ページ)
キャセイパシフィック航空は2015年9月、70機目となるボーイング777を受領した。同社の国際線ネットワークの拡充と、その戦略における777の位置付けを考察する。
ハイテク旅客機の代表格
香港国際空港に降り立つと、駐機エリアでは世界各地へのフライト準備を進める数多くの777-300ERと出会うことができる。前述したように、777ファミリーにはいくつかのタイプがあるが、それを外観で見分けるポイントは主翼の形状とボディの長さだ。長距離国際線で運航される航続距離延長型の-300ERは、主翼先端に空力特性を向上させるウイングチップを装備。全長は標準型の-200に比べ約10メートル長い。両翼を広げた長さは64.8メートル、機首から尾翼までの全長は73.9メートルで、ジャンボ機をもしのぐサイズである。その巨体を、左右の主翼に装備された2つのエンジンの強力パワーで軽々と持ち上げてしまう。
「最初にコクピットに入ったときの驚きは、今でも忘れません。初期のジャンボ機(747)では50種類以上あった計器が、777では操縦席の前方パネルに配置された6つの画面に集約され、デザインもとてもシンプルです。これが旅客機のコクピットなのかと、鮮烈な印象を受けました」
777が就航を始めた当時、あるパイロットの一人がそんなふうに話していたのを思い出す。燃料効率もジャンボ機に比べて約20%向上。騒音やCO2排出量も低減し、環境にやさしい機種としてヨーロッパ各国などの空港で就航が歓迎された。「ハイテク旅客機」という言葉を聞いて、多くのパイロットが真っ先に「トリプルセブン」の名を思い浮かべるという。
関連記事
- オ・ト・ナの社会科見学 in 香港――キャセイパシフィック航空本社に潜入!
ONETOPI旅部キュレーターにして、社内きっての旅好き女子・オノリョがお届けする香港リポート第2弾。海外旅行では必ずと言っていいほどお世話になる航空会社の、普段なかなか目にすることのできない裏側に潜入取材してきました。 - 現役フライトアテンダントが歴代制服で――キャセイ日本就航50周年
キャセイパシフィック航空が、日本就航50周年を記念したキャンペーンを発表。会場には50年間の歴代制服をまとったフライトアテンダントたちも登場した。 - 異国の地で奮闘するJAL社員の空港業務を見てきた
海外の空港での仕事は、成田、羽田など国内の大規模空港とはまた違った苦労や醍醐味がある。マレーシアのクアラルンプール国際空港で活躍するJALの緒方奈美さんに話を聞いた。 - ドバイからパナマへ、エミレーツ航空が“世界最長路線”を開設
中東アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを拠点にするエミレーツ航空が2016年2月、世界最長となるドバイから中米パナマへの直行便を開設する。これまでの世界最長はどこを結ぶ路線だったか? 新しい路線で使用する機材は? - 秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話 バックナンバー
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.