キャセイパシフィック航空が70機目のボーイング777を受領:秋本俊二の“飛行機と空と旅”の話(3/4 ページ)
キャセイパシフィック航空は2015年9月、70機目となるボーイング777を受領した。同社の国際線ネットワークの拡充と、その戦略における777の位置付けを考察する。
フェリーフライトで香港へ
キャセイパシフィック航空の記念すべき70機目のボーイング777(-300ER)の受領セレモニーは2015年9月25日、米国シアトル郊外のボーイング工場で行われ、私も列席する機会を得た。
香港や中国、フィリピン、インドネシア、マレーシア、ベトナム、インド、スリランカなどアジア各国から参列したマスコミ関係者らとともに、式典を見守る。調印式と記念のキーの引き渡しは、ボーイングの777プログラム責任者のエリザベス・ルンド氏とキャセイパフィック航空のPR部門取締役であるジェームズ・トン氏との間で取り交わされた。式典終了後は記念の撮影会などがあり、さらに私たちは、引き渡されたばかりの新しい777-300ERを香港まで輸送するフライト(フェリーフライト)にも招待されたのである。
ボーイング工場からのフェリーフライトは「CX3339便」と命名され、私たちアジアからのマスコミ関係者23人とキャセイパシフィック航空の広報チーム7人、およびシアトルから香港に帰るエンジニアリング部門スタッフ10人の計40人が乗り込んだ。
同社の777-300ERにはビジネス、プレミアムエコノミー、エコノミーの3クラスに計340席を配置したタイプと、ファーストクラスも設定された4クラス計275席のタイプがある。今回受領した777-300ERは前者の仕様で、前方のキャビンに40席のビジネスクラスシートをレイアウト。つまり、乗り込んだ40人でビジネスクラスを占拠する形になった。
スリランカから来ていた記者は「こんな贅沢な体験は初めてです」と、興奮を隠さない。機内サービスを担当した6人の客室乗務員は、社内でその年の“トップパフォーマー”に選ばれた精鋭ばかり。これから香港までの14時間近いフライトで、彼女らの最高のもてなしを受けるのだ。通路をはさんで私の横に座った中国人記者は「最近のビジネスクラスはここまで進んでいるのですね。びっくりです。ひと昔前には、ファーストクラスにもこんな豪華なシートは置いていなかったですよ」と、リクライニング機能などを何度も試していた。
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