コラム
高齢者の暮らしの問題は「家」なんじゃないか(2/2 ページ)
要介護者対象の老人ホームやサービス付き高齢者住宅などの「施設」に対して、税金をつぎこみ続けても問題はいっこうに解決には向かわない。
住み替えは、予防医療のようなものだ。高齢期に適した住まいに引っ越して、社会とつながりながら元気で楽しく暮らせば、衰えは遅くなり、寿命と健康寿命の差が縮まる。だから、健康寿命の延伸と社会保障費の削減には、健常高齢者の住み替えに対して予算措置をとるのが効果的だ。
国が進める「生涯現役社会」「病院から在宅へ」という方針とも合致する。要介護者を対象とした医療・介護、要介護者対象の老人ホームやサービス付き高齢者住宅などの施設に対して、税金をつぎこみ続けても問題はいっこうに解決には向かわない。予防注射や健康診断が当たり前になったように、高齢期の住み替えが衰え予防として当たり前のようになれば、超高齢社会の諸問題はかなり解決するはずだ。(川口雅裕)
関連記事
- 「介護離職ゼロ」のために優先すべきは介護スタッフの待遇改善
政府は、特別養護老人ホームなどの介護施設を増やすため、首都圏の国有地90カ所を早ければ年内にも事業者に安く貸し出す方針だという。これはないよりはましだが、優先すべき政策ではない。 - ロボット推進事業関係者が語る、「介護ロボット」が普及しない理由
近年深刻化する介護業界の人手不足を解決すると大きな注目を集めるのが「介護ロボット」だ。しかし、その期待とは裏腹に介護現場ではロボットの導入が進んでいない実情がある。 - 数年後、認知症患者は1000万人に? そうした社会で求められる価値観
認知症のお年寄りが増えている。厚生労働省が試算した数字よりも多いペースで増えていて、このままでは数年後に1000万人を超えるかもしれない。超高齢化社会を迎えるにあたって、私たちはどのように対応すればいいのだろうか。 - 数年後、認知症患者は1000万人に? そうした社会で求められる価値観
認知症のお年寄りが増えている。厚生労働省が試算した数字よりも多いペースで増えていて、このままでは数年後に1000万人を超えるかもしれない。超高齢化社会を迎えるにあたって、私たちはどのように対応すればいいのだろうか。
関連リンク
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.