変化のスピードが速い中で、会社をどのように変えたのか――LINE元CEO・森川亮氏(1/5 ページ)
「変化のスピードが速くてついていけない」といった悩みを抱えているビジネスパーソンも多いのでは。そんな人に、LINEで社長として活躍し、現在はC Channelで社長を務めている森川亮さんの話を紹介しよう。
「変化のスピードが速くて、商品のライフサイクルが短くなった。どうしたらいいんだろう」と悩んでいるビジネスパーソンも多いのでは。そんな人に、LINEで社長として活躍し、現在は動画サービスを運営しているC Channelで社長を務めている森川亮(もりかわ・あきら)さんの話を紹介しよう。LINEでどんなことをやって、どんなことを感じたのか。11月20日に開かれた「TRENDY EXPO TOKYO 2015」で話された講演内容をまとめた。
変化を強みに変える経営
IT業界は変化のスピードが速いので、それをどうやって乗り切っていけばいいのか。これがものすごく大変。悩みながらマネジメントをしたわけですが、ひとことで言うと「変化を強みに変える経営」を目指しました。インターネットが生まれて、ソーシャルメディアが生まれて、何かが始まった瞬間に情報が一気に伝播するようになりました。その結果、陳腐化のスピードも加速度的に変化しています。
また世の中の情報処理の多くは、すでにコンピュータがやっています。コンピュータの進化はムーアの法則で指摘されているように、加速度的に処理能力が高まっているので、処理スピードも加速度的に速くなっています。結果、変化のスピードがぐっとアップしました。このスピードが遅くなることは、コンピュータではなく次の時代がやってくるまで、おそらくないでしょう。
最近、未来を予測する本があまり出ていませんよね。なぜなら書いているうちに世の中がどんどん変わってしまうから。それほど変化のスピードが速い中で、これまでのように新規事業を立ち上げる際、考えて議論して、そして3カ月間悩んで……といったことはナンセンスなんですよ。考えて議論している間に、世の中は変化してしまう。また、こんなことをやっていても、結論が出ません。
まず、変化の兆しをとらえて、どれだけ速く変わることができるか。そしてその変化を強みに変えることができるかどうか。生き残るためには、これしかないのではないでしょうか。
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