100年以上変わらなかった「タイムレコーダー」が、新しいビジネスを生む日:新連載・で、どうやって儲けるの?(1/3 ページ)
タイムレコーダーは100年以上前に開発されたのに、基本的な機能は同じ。出退勤の時間を記録するだけ。長く変わらなかった市場に、新しいビジネスが生まれようとしている。それは……。
あなたは「タイムレコーダー」について、どのように感じていますか? このように聞かれて返答に困る人も多いのでは。「会社に着いたときに時間を記録して、家に帰るときにまた時間を記録して。それ以上でもそれ以下でもない」「そもそも考えたことがないので、よく分からない」といった声が聞こえてきそうだ。
タイムレコーダーは会社で最も人の出入りが激しいところ……いわば“一丁目一番地”に設置されているのに、ほとんどの人が気にとめない。そんな存在感の薄い商品に、ちょっとユニークなモノが登場した。その名は「タブレット タイムレコーダー」。名古屋に拠点を置くネオレックスという会社が、この7月にリリースしたのだ。
タブレット タイムレコーダーは、iPadをタイムレコーダーにするアプリ。画面上で勤怠管理ができることのほかに、(1)出退勤時、自動的に顔写真が記録される(2)相手を選んでビデオメッセージを送りあうことができる(3)天気予報を見ることができる――。「えー、自分の顔写真が撮られるなんて嫌だよ」「目を閉じた写真が保存されるのは勘弁してほしい」と思われたかもしれないが、心配ご無用。写真は何度も撮影することができるので、“最高の一枚”を手にすることができるかもしれない。また、心遣いとして画像補正をかけているので、実物よりもちょっぴりキレイに撮れるとか。
「ビデオメッセージなんているの? メールで十分でしょ」と感じられたかもしれないが、職場によってはPCを頻繁に使えないところがある。例えば、ホテルや病院など。二交代・三交代制の職場では、その日の仕事を次の人に引き継ぐことも重要な仕事になる。そうした業務もビデオメッセージを使えば、身ぶり手ぶりで伝えることができるのだ。
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