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100年以上変わらなかった「タイムレコーダー」が、新しいビジネスを生む日新連載・で、どうやって儲けるの?(2/3 ページ)

タイムレコーダーは100年以上前に開発されたのに、基本的な機能は同じ。出退勤の時間を記録するだけ。長く変わらなかった市場に、新しいビジネスが生まれようとしている。それは……。

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“再発明”の可能性

 タイムレコーダーの歴史を調べてみると、19世紀に米国で発明されたそうだ。かれこれ100年以上も使われているが、基本的な仕組みは同じ。出勤するときの時間、退勤するときの時間、それぞれを記録するだけ。10年ほど前からクラウド上で管理するモノも登場しているが、基本的な機能は同じ。変わらない歴史を刻んできた商品なのに、なぜネオレックスはこの市場に“新しい時”を刻もうとしたのか。

 「あまり知られていないと思うのですが、タイムレコーダー市場って大きいんですよ。カードを入れて時間を記録するタイプのモノでも、年間10万台も売れています。そんなに売れているのに、100年以上もイノベーションが起きていない。そこにビジネスチャンスがあると思ったんですよ」と語るのは、ネオレックスの駒井研司CEO。

 出勤状況をクラウド上で管理している会社も多く、同社もそうしたサービスを提供している。日頃からタイムレコーダーのあり方を考えていた駒井CEOは「全国に何カ所も拠点を置いている会社であれば、クラウド上で管理するのは便利。でも、従業員が1カ所に集まっている職場ではアプリで十分」と思った。クラウド上で管理すると、料金は1人当たり月間数百円ほど。年間で計算すると、かなりのコスト負担になるが、アプリだと初期費用のみで提供できるはず。そんなことを考えながら、開発がスタートしたという。

 タイムレコーダーが開発されてから100年以上が経っているのに、なぜタブレット タイムレコーダーのように、他社は新しい機能を追加しようと思わなかったのだろうか。

 そんな質問を投げかけてみると、駒井CEOは「必要がなかったからでしょ」とサラリ。じゃあ、自分の写真を撮影する機能も、ビデオメッセージ機能もいらないのでは。自己否定するかような発言の真意を聞いてみると、「『必要は発明の母』という言葉がありますよね。これは必要だなあと思って、開発が生まれてくると思うんですよ。もし、当社がやってきたことが必要だったとしたら、もっと前に他社がやっていたと思うんですよね。でも、やっていない。ということは、新しい機能を搭載したことで、それが受け入れられたら“再発明”になるのではないでしょうか。100年以上変わらなかったタイムレコーダーに新しい機能を搭載したことで、これまでとは違った別のモノに生まれる可能性があると思っています」


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