テレビは苦戦しているのに、なぜWOWOWは過去最高なのか:水曜インタビュー劇場(有料テレビ公演)(6/6 ページ)
テレビ局の厳しい戦いが続いている。視聴率が低迷し、広告費が落ち込む……。そんな状況の中で、有料放送「WOWOW」が好調だ。加入件数は過去最高を突破し、大台の300万件も近づいてきた。その要因について、同社の担当者に聞いた。
かつて「BtoB」、いま「BtoC」
土肥: 最後の質問です。WOWOWの加入者って、いまはWebサイトから多いですよね。ネットのない時代にはどのようなルートで申し込まれる人が多かったのでしょうか?
石垣: 以前は、加入件数の半分以上が「電話から」でした。ほぼ「電話から」というときもありました。
土肥: そうした人たちにどのように営業活動をされていたのでしょうか。
石垣: 例えば、街の電気屋さんに足を運んで、「申し込み用紙を置かせてください」とお願いしていました。家電量販店、ケーブルテレビ局などにも足を運んで、同じようなことをしていました。テレビを購入したときに、WOWOWを申し込んでもらう――といった流れですね。かつてはそうしたお客さんが最も多かったのですが、いまはかなり減っていますね。つまり、インターネットが普及したことで、ビジネスが大きく変わったんですよ。かつては「BtoB」でしたが、いまは「BtoC」に。
土肥: なるほど。BtoCに変わったことで、以前より広告にチカラを入れて、それを見た・読んだ人に加入したくなるような“仕掛け”をされているわけですね。本日はありがとうございました。
(終わり)
連載が本になりました!:
連載「仕事をしたら○○が見えてきた」が、『ササる戦略』(三才ブックス)というタイトルで書籍化されました。「『丸亀製麺』の讃岐うどんが海外で受け入れられた理由は?」「アイスの『ピノ』が40年も売れ続けているのはなぜ?」など、業界が注目する12社から“ヒットの法則”を紹介しています。
「読んでいくと、やはり経営には『工夫』が必要。各企業のこれまでの苦労を思えば、1300円(税別)は安い」(ビジネスブックマラソン)、「実際の展開をしている担当の人だからこそ伝えられるノウハウが満載な本書は、マーケティング活動に悩みを抱えるビジネスパーソンに生きた知恵を与えてくれるだろう」(flier)といった声が届いています。
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