コラム
高齢者が「終活」ではなく、「就活」に奔走する?(2/2 ページ)
超高齢社会の問題を解決するための国の大方針は、「生涯現役社会の実現」である。高齢者の生涯現役は良いことだらけなのだが、その実現は容易でない。
以上のように、高齢者の役割が絞られてきている上に、つつがなく定年まで勤め上げようと漠然と構えている人が多いのが現実だ。このままだと「終活」どころではなく、働きたい又は働かざるを得ない高齢者が「就活」に右往左往する時代が来るのではないか。
「生涯現役社会」は掛け声に終わり、役割のない高齢者はますますお荷物となって若い世代に疎(うと)ましがられるだろう。そんな事態を避けるために、個人としては50歳代・40歳代の早い段階から、高齢になっても活躍し続けられる能力を身に付けようとする態度が求められるし、公的機関や大学の提供する生涯学習、さらに企業内教育もこのような観点から見直されるべきである。(川口雅裕)
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