「イケメンや美人は出世しやすい」は本当か:世界を読み解くニュース・サロン(4/4 ページ)
見た目の良い人は採用されやすい、出世しやすい――。日本でこうした議論をよく耳にするが、実は海外でも頻繁に話題になるそうだ。海外でもイケメンや美人のほうが出世しやすいと言われているが、最近その定説を覆す研究結果が発表された。
人は見た目で判断する
研究を紹介したテレグラフ紙は、この調査結果が、ある米有名俳優が話していたイヤミにも取れるようなコメントを証明したことになると書いている。その話題になっている俳優は、ロブ・ロウ。日本ではあまり知名度はないが、米国ではテレビCMなどでよく見かけるほどの人気俳優で、『セント・エルモス・ファイアー』などの代表作があるベテランのイケメン俳優だ。先日、ハリウッドの殿堂入りをしてニュースになったばかりだ。
ロウは2014年のニューヨークタイムズ紙のインタビューで、イケメンの苦悩について発言し、コメント欄がプチ炎上した。ロウは、「(自分のような)いわゆるイケメンに対しては、信じられないような偏見と先入観が存在するんだ。イケメンは傷つかないし、粗野な人生は送らないし、味があって興味深いってね」と語った。「歴史的に、イケメンは面白くないっていう偏見もある」。つまり、イケメンはその見た目だけで損をしているということらしい。まさに今回の調査に合致する。
とにかく、これまでの定説である、イケメンは得している、というのは必ずしも正しくないということらしい。もちろん、それが全面的に事実かどうかは分からない。ただ1つだけ再確認できたことがある。結局のところ、いずれにしても人はビジネスにおいて、見た目で判断されるということである。それだけは肝に銘じておいたほうがよさそうだ。
筆者プロフィール:
山田敏弘
ノンフィクション作家・ジャーナリスト。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト研究員を経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。
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