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再契約を結んだ岩隈久志にみる「メジャーリーグ・ビジネス」の世界赤坂8丁目発 スポーツ246(4/4 ページ)

メジャーリーガーの岩隈久志投手がシアトル・マリナーズと再契約を結んだ。本コラムでは、メジャーリーグ特有の「マネーゲーム」を振り返り、関係者たちの思惑についても分析した。

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契約は瞬時のタイミングが勝負

 「QO」とは選手の年俸高騰を防ぐ制度で、残留交渉する両者の条件に折り合いが付かない場合、球団側がFA前の選手に条件として提示する最終的な規定額のこと。メジャーリーガーの年俸上位125名の平均額を1年契約の年俸分として算出し、オファーを出す。だが、岩隈側は基本的には残留を希望していながらも前述した通り、マリナーズから「QO」として提示された1年1580万ドルの2年契約に難色を示し、3年契約に固執していた。最初の条件をスンナリ受け入れていれば……と思ったとしても、残念ながら後の祭りだ。メジャーリーグの契約は瞬時のタイミングが勝負の分かれ目となるのである。

 もちろん、この岩隈の契約に関する流れを振り返って誰が「勝者」で「敗者」であるかは断じることはできない。ただし、言い切れるのは、このメジャーリーグでは日本プロ野球界では想像もつかないようなビッグマネーが当事者たちのドラスティックな決断によって上下左右に激しく動くということだ。これも「大リーグ=ビッグ・リーグ」と呼ばれるゆえんなのであろう。

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