連載
コンビニ合併話に浮上するチェーンはどこか 2016年は「再編地固めの年」:コンビニ探偵! 調査報告書(特別編)(2/4 ページ)
2015年は「ついに動いた」という1年であった。コンビニの再編である。では、2016年はどうなるのか。某コンビニでオーナーを務めていた川乃氏に占ってもらったところ……。
合併話に縁遠いチェーン
セブン-イレブンは合併話には目もくれず、王者の風格で店舗を増やしていくだろう。46都道府県に進出をしたセブン-イレブンは、残りの沖縄展開をいつにするのか。面積の狭い沖縄には、すでにローソンとファミリーマートで443店舗、ココストアの106店を加えると、549店舗がひしめいている。そんなエリアへの出店は、セブン-イレブンだからといって簡単なことではないだろう。
無理に沖縄出店を目指すより、出店間もない青森県・鳥取県・島根県といった地域のシェアを拡大させるために、あれやこれやとさまざまな施策を打ってくるのではないだろうか。
セブン-イレブンのほかに、合併話に縁遠いチェーンが3つある。デイリーヤマザキ、駅ナカのNewDays、北海道での勢力が大きいセイコーマートだ。中でも、筆者はNewDaysの展開が気になっている。
これまでJR東日本の駅ではNewDaysが独占していたが、大手3社が他の駅に進出し始めている。セブン-イレブンはJR西日本と提携し、西日本の営業を強化しているし、ローソンは東京メトロと提携し、地下での店舗網拡大を狙っているし、ファミリーマートは近鉄の駅ナカにあるコンビニや売店をファミマに転換していく。
こうした動きを見ていと、「NewDays=駅ナカ=強み」という特色が失われてくるのではないだろうか。今後、JR東日本がどう考えるかによっては急展開が見られるかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- なぜセブン-イレブンは“王者”であり続けるのか
セブン-イレブンの快進撃が止まらない。2014年4月に消費税が増税され、他のコンビニが苦戦する中、セブンは売り上げを伸ばした。セブンカフェやセブンプレミアムなど、なぜヒット商品を生み出すことができるのか。現役コンビニオーナーの川乃もりやさんに話を聞いた。 - なぜ小さなコンビニが、セブンより下でローソンより上なのか
エキナカにあるコンビニ「ニューデイズ」の業績が興味深い。1店舗の1日の売上高に相当する日販は、セブンが65万5000円、ローソンが51万9000円に対し、ニューデイズは57万円。小さなコンビニが、なぜ大手の一角に食い込むことができたのか。担当者に聞いたところ……。 - たいして儲かっていないのに、コンビニが「24時間営業」を止められない理由
今や、ほとんどのコンビニが24時間営業だ。いつでも開いていて便利な一方、さまざまな問題が生まれている。今回は、24時間営業のコンビニが抱えるジレンマについて調査した。 - コンビニのアルバイトが、集まらない事情
ここ数年、どのコンビニでもアルバイトが集まりにくいと聞いているが、最近はさらに状況が厳しくなってきているようだ。今回は、コンビニにおけるアルバイトの人材不足の現状について。