コンビニ合併話に浮上するチェーンはどこか 2016年は「再編地固めの年」:コンビニ探偵! 調査報告書(特別編)(3/4 ページ)
2015年は「ついに動いた」という1年であった。コンビニの再編である。では、2016年はどうなるのか。某コンビニでオーナーを務めていた川乃氏に占ってもらったところ……。
ミニストップはいわゆる“モテ期”
次に気になるのが、北海道に地盤を置くセイコーマートである。北海道でのシェアが高いことは有名だ。また、あまり知られていないと思うが、コンビニポイントカードのパイオニアでもある。顧客満足度も高いので盤石と思われるかもしれないが、不安もある。2015年10月末の時点での北海道店舗数は、セイコーマート1082店に対し、セブン-イレブンは930店。店舗数だけをみると、独走していたセイコーマートのすぐ後ろに日本王者がピッタリくっついているといった状態だ。今後、“北海道の陣”が起きてもおかしくない……いや、すでに起きているといってもいいだろう。
デイリーヤマザキと聞けば「あ〜、焼きたてのパンを売っているところね」と想像する人が多いかもしれない。大手と比べて派手さに欠け、店舗数減少が気になるところだが、2016年も合併話にはからまず独自路線を進んでいくのではないだろうか。
次に合併するのはどこか? という話題になったときに、必ず上がってくるチェーンが2つある。セーブオンとミニストップだ。「ええ、ミニストップが?」と思われた読者もいるかもしれないので、ミニストップの概要をご紹介しよう。
ミニストップはイオン傘下のコンビニで、現在の店舗数は4982カ店(うち国内2195カ点、2015年11月現在)。なぜミニストップが合併話に巻き込まれる可能性が高いかというと、ファミリーマートは2位の地位を盤石にしたいから、3位に転落したローソンは定位置に戻りたいから。どちらも「2位」の座席争いにチカラを入れていると思うが、ローソンはイオンの電子マネー「WAON」のサービスを開始していることから、ひょっとしたら水面下でローソンが一歩リードしているのかもしれない。いやいや、他のチェーンもミニストップに“ラブコール”を送っているかもしれない。
ミニストップはいわゆる“モテ期”かもしれないもが、イオンがコンビニ業態をやすやすと手放すとは考えにくい。イオンは小型スーパー「まいばすけっと」を展開しているので、コンビニという小型店舗で蓄積されるノウハスは捨てがたいはずだ。合併話、店舗競争というトレンドに巻き込まれるのではなく、ミニストップ&まいばすけっとの両方を展開しつつ、独自のコンビニブランドを立ち上げるかもしれない。「それはちょっと無理でしょ」と思われたかもしれないが、「イオンだからこそそれができる」と筆者はみている。
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