大河ドラマ主役の真田幸村、ところで何をやった人?:歴ドル・小日向えりの「もしあの武将がネットサービスを使ったら……」(4/4 ページ)
戦国時代の真田ファミリーを描く今年の大河ドラマ「真田丸」がいよいよ始まります。ドラマの中で主役となるのが真田幸村ですが、いったいどんな功績を残した人なのでしょうか。実は……。
幸村、迷子になる
そんな幸村ですが、生涯で唯一と言ってもいい失敗エピソードが、先述した誉田の戦いにおいて、霧で迷子になり遅刻した話です。
奈良方面から大坂に向かって進撃する徳川方を、豊臣方は道明寺口で迎え撃ちます。藤井寺で後藤又兵衛の軍と合流する予定だった真田幸村隊と毛利勝永隊でしたが、濃い霧のため進軍が遅れて間に合わず、後藤隊は単独で出撃。後藤隊は伊達政宗隊と松平忠明隊の総勢2万から集中攻撃を受けて、多勢に無勢、又兵衛は討ち死にしてしまいました。
歴史に「たられば」はつきものですが、もし幸村が予定通り戦場に駆けつけていれば、又兵衛も討ち死にせずに済み、戦況が大きく変わっていたかもしれません。
そこで今回、幸村にお勧めしたいWebサービスは、スマホアプリの「Waaaaay!(うぇーい!)」。これは方向音痴の人のためのアプリです。
目的地までの「方向」と「距離」だけを表示するナビゲーションサービスで、現在ダインロード数は45万を超えているそうです。1人で使う「目的地に向かうモード」と、2人で使う「待ち合わせモード」があります。1人で使用するときは、目的地までの方向と距離が表示され、待ち合わせモードでは相手までの方向と距離が表示され、お互いの中間地点で会えるように設計されています。
今でこそ「Google Maps」などの地図サービスが充実しているので、一昔前のようにプリントアウトした地図だけが頼りということはなくなり、便利な世の中になりました。しかし、私ほどの方向音痴にもなると、目的地までの地図と現在位置が分かっていても、迷ってしまうことがあるのです。このアプリを知ったときは、拍手を送りたくなりました。
特筆すべきは広告が非表示なこと。どうやって成り立っているのだろうと思ったら、方向を示す矢印をサンマに変えるというユニークな課金。Google Mapsで辿りつけない方向音痴たちの感謝によってか、累計1000人以上からの課金が集まったそうです。
幸村も数メートル先が見えない霧の中では、自分の現在地すら把握できない状況です。目的地を「藤井寺」に設定して方向と距離を把握すれば、迷わずに済んだかもしれません。また、幸村と又兵衛が待ち合わせモードを使っていれば無事落ち合えたかもしれませんね。
大河ドラマでこの場面が登場するとしても、ほぼ終盤になるでしょうが、とにもかくにもこれから1年、真田丸が楽しみです。
著者プロフィール
1988年生まれ。奈良県出身。横浜国立大学卒業。歴史、特に三国志、戦国、幕末に造詣が深く、元祖歴史アイドル=歴ドルとして活躍中。著書に「イケメン幕末史」(PHP新書)、「会津に恋して」(中経出版)、「恋する三国志」(青志社)、「いざ、真田の聖地へ」(主婦と生活社)がある。信州上田観光大使、会津親善大使、関ヶ原観光大使。
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