新ビジネスの“成功確率”は? 「スポーツ+天気」がやって来そう:水曜インタビュー劇場(天候編)(4/6 ページ)
気象予報会社のウェザーニューズがスポーツチームの支援にチカラを入れている。ラグビー日本代表チームのほかに、さまざまなスポーツを支援しているが、次にどんなビジネスを企画しているのか。担当者に話を聞いた。
お金を集めるところから始める
土肥: 気象情報はあるほうがいいか、それともなくてもいいか? このように聞かれると、少なくとも外で行うスポーツについては「ある」ほうがいい。しかし、アマチュアのチームにはお金がない。強くなるために器具などを買えば、すぐにお金がなくなってしまう。そうした状況の中でどうすればいいのか。そこで、浅田さんは気象情報を提供するために、OB組織を管理することに目をつけられた。この仕組みが広がると、気象情報とアマチュアスポーツとの関係が大きく変わりそうですね。
浅田: 繰り返しになりますが、アマチュアのチームはお金をあまり持っていません。というわけで、まずお金を集める仕組みから始めなければいけません。これまでもチームは「気象情報があればいいのになあ」とか「○○があればいいのになあ」と思っていたはず。でも「お金がないので無理」とあきらめていたのではないでしょうか。当社も「チームにお金がなければ無理」で終わっていました。でも、それではいけない。「お金を集めるところから始めればいいのでは?」というのがこの仕組みですね。
土肥: お金を集めることができた。じゃあ、どんな情報を見ることができるのでしょうか?
浅田: 例えば、自分たちが練習するホームグラウンドの気象情報をピンポイントで知ることができます。また、週末に試合があれば、その場所を登録するだけで、1週間前から気象情報を見ることができます。
あと、ラグビー日本代表のスタッフの方に、当社の気象観測機を活用していただきました。この観測機を使えば、グランド上の体感温度や風速など10項目が分かります。練習グランドや試合会場でのデータを当社に送っていただければ、それをベースに気象を予測することができます。そうすることで予測精度が上がるので、アマチュアのチームでもやっていただきたいですね。
学校のグラウンドに大きな観測機を設置することは難しいと思いますが、手で持つことができる簡易的なモノであればできるはず。自分たちの命は自分たちで計って守る、といった形になればいいですね。
ただ、熱中症は気象条件だけで防ぐことは難しいと思っているんですよ。睡眠時間は足りているのか、栄養はちゃんと取れているのか、といった体調管理と栄養摂取をきちんとやっていながら、気象情報も参考にしなければいけません。いますぐには難しいですが、気象情報だけでなく、さまざまな情報を加えて熱中症対策をやっていきたいですね。
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