新ビジネスの“成功確率”は? 「スポーツ+天気」がやって来そう:水曜インタビュー劇場(天候編)(5/6 ページ)
気象予報会社のウェザーニューズがスポーツチームの支援にチカラを入れている。ラグビー日本代表チームのほかに、さまざまなスポーツを支援しているが、次にどんなビジネスを企画しているのか。担当者に話を聞いた。
気象条件と選手の間に相関関係
土肥: スポーツに「気象」という情報を加えることで、新しいビジネスを生み出そうとしているわけですが、まだまだありそうですね。
浅田: 気象条件と選手の間に相関関係があると思っているんですよね。
土肥: どういう意味でしょうか?
浅田: 例えば、湿度が低い日にはよく走れるのに、湿度が高くなれば走れない選手とか、気温が低いときにはヒットを打つ確率は高いのに、気温が高くなれば低いとか。自分に得意な気候があると思っているので、過去のデータと気象条件をかけあわせることで「この選手は湿度が低いときのほうが結果を出せているな」とか「この選手は気温が低いときのほうが打率が高いな」とか相関データが生まれるかもしれない。
そうした傾向が明らかになってくると、こんな作戦を立てることができるかもしれません。「今日は湿度が高いので、この選手は走れない。選手交代は早めにしよう」といった感じで、データを戦略的に使っていただけるようになるのではないでしょうか。現在、「気候と選手のパフォーマンスに相関関係がある」と仮説を立てて、分析しているところです。
土肥: プロ野球を見ていると、解説者が「このピッチャーは夏場に強いですから」といったことをよく聞きます。7月、8月に勝ち星が多いので、こうした発言をされていると思うのですが、もっとデータを細かく見ていくわけですよね。気温30度以上のときの勝率はどうなのか、湿度70%以上のときはどうなのか、といった形で。これまで感覚で語られていたような話を、より細かいデータに基づいて作戦に使っていただくわけですね。
面白い! 実現すれば、野球の見方がずいぶん変わりそうですね。有料放送の加入者はそうした情報を見ながら野球を楽しむことができる、といった新しいビジネスが生まれてきそう。
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