新ビジネスの“成功確率”は? 「スポーツ+天気」がやって来そう:水曜インタビュー劇場(天候編)(6/6 ページ)
気象予報会社のウェザーニューズがスポーツチームの支援にチカラを入れている。ラグビー日本代表チームのほかに、さまざまなスポーツを支援しているが、次にどんなビジネスを企画しているのか。担当者に話を聞いた。
「リスクを減らす」「勝利」を支援
浅田: 「天気予報が当たった、外れた」といったことも大切なのですが、チームや選手が「気象情報」をきちんと扱えるようになってほしいんですよね。なぜそう思うかというと、気象リスクがあるから。
土肥: 先ほどお話された熱中症、ゲリラ豪雨、雷などですよね。
浅田: 気象リスクを防ぐためには、気象のことを勉強しなければいけません。ただ、こちらがリスクの話ばかり言っても、聞いている人たちは面白くありません。
土肥: 「分かりました、分かりました、気をつければいいんでしょ」と思われてしまう。
浅田: “気象と選手のパフォーマンスに関係がある”ことが分かればどうでしょう? 気象=ネガティブではなく、ポジティブに受け止めていただけるのではないでしょうか。そうすると、気象のことにもっと関心を寄せてくれるかなあと。
土肥: なるほど。その昔、スポーツの現場で「うさぎ跳び」が当たり前のように行われていました。でも、医学的に「うさぎ跳びはケガをしやすい」ことが明らかになったので、いまでは行われていません。また、運動中に「水を飲んではいけない」と言われてきました。でも、飲まなければ脱水症状になる危険性が高くなるので、いまでは「水分補給をしなければいけない」になりました。
「うさぎ跳びをしろ」「水を飲むな」といった“根性論”はどんどんなくなって、スポーツの世界に科学がどんどん導入されていった。浅田さんの話を聞いていると、近い将来スポーツの世界に「気象」が入ってくるかもしれない。
浅田: スポーツをやっていると「ケガ」はどうしても避けられません。でも、気象を知ることで「リスクを減らす」ことはできるんですよね。またリスクを減らすだけでなく、気象をうまく使うことで「勝利」に結びつけることができるかもしれません。この2つを支援できればうれしいですね。
(終わり)
連載が本になりました!:
連載「仕事をしたら○○が見えてきた」が、『ササる戦略』(三才ブックス)というタイトルで書籍化されました。「『丸亀製麺』の讃岐うどんが海外で受け入れられた理由は?」「アイスの『ピノ』が40年も売れ続けているのはなぜ?」など、業界が注目する12社から“ヒットの法則”を紹介しています。
「読んでいくと、やはり経営には『工夫』が必要。各企業のこれまでの苦労を思えば、1300円(税別)は安い」(ビジネスブックマラソン)、「実際の展開をしている担当の人だからこそ伝えられるノウハウが満載な本書は、マーケティング活動に悩みを抱えるビジネスパーソンに生きた知恵を与えてくれるだろう」(flier)といった声が届いています。
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