フジテレビの年末・総合格闘技イベントは本当に「大健闘」だったのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(1/4 ページ)
昨年末、フジテレビの全面バックアップによって、総合格闘技『RIZIN』が開催された。視聴率は7.3%。実行委員長はTwitterで「皆さんのおかげで大健闘の数字を頂けました」とツイートしているが、本当に“大健闘”と言えるのだろうか。
臼北信行(うすきた・のぶゆき)氏のプロフィール:
国内プロ野球、メジャーリーグを中心に取材活動を続けているスポーツライター。セ・パ各12球団の主力選手や米国で活躍するメジャーリーガーにこれまで何度も「体当たり」でコメントを引き出し、独自ネタを収集することをモットーとしている。
野球以外にもサッカーや格闘技、アマチュアスポーツを含めさまざまなジャンルのスポーツ取材歴があり、WBC(2006年第1回から2013年第3回まで全大会)やサッカーW杯(1998年・フランス、2002年・日韓共催、2006年・ドイツ)、五輪(2004年アテネ、2008年北京)など数々の国際大会の取材現場へも頻繁に足を運んでいる。
果たして日本のMMA(総合格闘技)は蘇生するのか。その行方を占うイベントが2015年の年末に開催された。12月29、31日の2日間に渡り、さいたまスーパーアリーナで行われた『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX』(以下、RIZIN)だ。かつて一斉を風靡(ふうび)した日本のMMAイベント「PRIDE」のスタッフが中心となり、フジテレビの全面バックアップを得て旗揚げ。視聴率低迷に苦しんでいる同局としてもPRIDE以来、実に10年ぶりとなるMMAイベント・大晦日大会の地上波放送復活となるだけに期待は大きかった。
しかしフタを開けてみれば、当日放送された大会2日間の番組視聴率(関東地区・ビデオリサーチ社調べ)は決して胸を張れるような数字ではなかった。29日は21時から23時13分までオンエアされ、6.4%。同局で放送された直前番組の『ボクシングフェス2015〜井上尚弥&八重樫東ダブル世界戦〜』が視聴率7.2%であったことを考えれば、同じプライム枠であるにも関わらず数字を落としてしまったのが実状だ。
そして最大の関心事である大みそか放映のRIZINの視聴率は3部に分けて発表され、第2部(20時45分〜22時30分)が3部中で最高の7.3%をマーク。ちなみにフジテレビでのPRIDE・大みそか大会の最後の放送となった2005年は第2部(20時から23時)で17.0%だった。その当時と比較すれば大幅に下落しているが、近年は大みそかのプライム枠で平均視聴率が2〜3%台しか稼げず苦戦続きだったフジテレビの水準から評すると今年の数字は「善戦だった」と言えるのかもしれない。実際にRIZINの榊原信行実行委員長もTwitterで「視聴率出ました! 7.3%でした。皆さんのおかげで大健闘の数字を頂けました」とのコメントを発表している。
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