フジテレビの年末・総合格闘技イベントは本当に「大健闘」だったのか:赤坂8丁目発 スポーツ246(2/4 ページ)
昨年末、フジテレビの全面バックアップによって、総合格闘技『RIZIN』が開催された。視聴率は7.3%。実行委員長はTwitterで「皆さんのおかげで大健闘の数字を頂けました」とツイートしているが、本当に“大健闘”と言えるのだろうか。
フジテレビの関係者は肩を落とす
しかし、本当に「大健闘」とまで言えるのかは甚だ疑問だ。大みそか放映のRIZINの第1部(19時〜20時45分)は5.0%、第3部(22時30分〜23時45分)は3.7%だったことから、これらと第2部の数字をトータルで再計算すれば番組全体の視聴率は5.3%にまでグンと低下してしまう。
しかもTBSで放送された裏番組『KYOKUGEN』の第3部(22時から22時52分)は11年ぶりとなる魔裟斗VS.山本“KID”徳郁のK-1ルールによる再戦をメインに9.0%の視聴率を獲り、RIZINの第2部を上回った。ほぼ同時刻放送となった第2部(21時から23時45分)で番組史上最低とはいえ、断トツで大みそかトップの視聴率39.2%を叩き出したNHK『紅白歌合戦』の牙城に迫るのは言うまでもなく夢物語。「それは百も承知だった」としながらも、フジテレビ関係者は肩を落としながら次のように本音を吐露している。
「一度引退した魔裟斗選手と、事実上のセミリタイア状態となっているKID選手の再戦よりも、RIZINのほうが2%近くも数字を落としてしまったショックは大きい。しかも放送前に『最低でも(視聴率)2ケタはいけるんじゃないのか』との声もあった中、MMAイベントまでバックアップして勝負に出た我々にとってたった1試合のテレビマッチだけを(第3部で)呼び物にしたTBSさんに負けたことは相当大きなダメージが残っている」
NHK紅白歌合戦を除く同時間帯の民放大みそか特番で6年連続のトップに輝いたのは日本テレビ。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の年越しスペシャル『絶対に笑ってはいけない名探偵24時!』で平均視聴率が、第1部(18時30分から21時)17.6%、第2部(21時〜深夜0時30分)15.3%だった。かつてPRIDEやK-1を運営していたスタッフが大みそかのMMAイベント開催を前にしながら「打倒・紅白」を年末の風物詩のように唱えていた時代があったが、それも今は昔。RIZINは「打倒・ガキ使」すら果たせなかった。
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