あれ? なぜコインパーキングで「予約」ができないのか:水曜インタビュー劇場(駐車場公演)(3/7 ページ)
駐車場シェアリングが拡大している。利用者のメリットは、空き駐車場を予約できることだが、なぜ既存のコインパーキングでは予約することができないのか。駐車場シェアリング「akippa」を運営する金谷社長に話を聞いたところ……。
駐車場の拠点数が急増した理由
土肥: この事業を始められたのは2014年4月ですよね。なぜ、これほどのハイペースで拠点数が増えているのでしょうか?
金谷: これまで遊休スペースだった駐車場が使われることで、収入が入ってくる。駐車場のオーナーさんにとって「損」をする話ではないので、当社と契約していただけるのではないでしょうか。
土肥: 利用者は1日の駐車料金を支払うわけですが、駐車場のオーナーが60%、あきっぱが40%を手にする。既存のコインパーキングのように機械を導入していませんが、初期投資はどのくらいかかるのでしょうか?
金谷: 初期投資はほとんどかかりません。10台のクルマを停めることができるコインパーキングをつくろうとすると、150万円ほどかかりますが、あきっぱはコーンしか置いていません。価格は……2000円くらい。また、他社のように土地を借り上げていれば、その費用を早く回収しなければいけないので、どうしても料金が高くなるのではないでしょうか。
初期投資やランニングコストを抑えることができるので、ほとんどの駐車場が既存のコインパーキングよりも安いんですよ。例えば、東京の渋谷区宇田川町にある駐車場をみると、コインパーキングの価格は4500円(平日10時〜22時の12時間利用)ですが、あきっぱは1800円。
土肥: 他社が4500円であれば、駐車場のオーナーは「ウチも4000円くらいの価格にしたい」と思うはず。1800円って安すぎませんか?
金谷: 価格については、オーナーさんと協議をして決定しています。「○○円くらいであれば埋まりますよ」「もっと下げてください」などとアドバイスさせていただくこともありますが、最終決定権はオーナーさんにあります。ただ、当社としては他社と同じ価格でもいいと思っているんですよ。
土肥: 成果報酬型のビジネスなので、料金は高いほうが儲(もう)かるからでしょうか?
関連記事
- 日本人のここがズレている! このままでは「観光立国」になれません
「訪日客が1300万人を突破」といったニュースを目にすると、「日本は観光立国になったなあ」と思われる人もいるだろうが、本当にそうなのか。文化財を修繕する小西美術工藝社のアトキンソン社長は「日本は『観光後進国』だ」と指摘する。その意味とは……。 - カーシェア事業で、なぜ「パーク24」だけが黒字化できたのか
カーシェアリング事業の早期黒字化は難しいといわれている中で、パーク24が事業を始めてわずか5年で黒字を達成した。その理由を探っていくと、興味深い話が……。 - ジャポニカ学習帳の表紙から「昆虫」が消えた、本当の理由
ジャポニカ学習帳の表紙といえば、「昆虫」の写真を思い浮かべる人も多いだろうが、数年前に昆虫が消えた。教師や保護者から「昆虫が気持ち悪いから変えてほしい」といった要望があって、発売元のショウワノートが削除したというが、本当にそうなのか? - なぜミニストップのソフトクリームは真似されないのか
某コンビニのPB商品がヒットすれば、競合他社が同じような商品を販売する――。コンビニは“真似の歴史”を刻んで、拡大してきたわけだが、真似されないモノもある。そのひとつが、ミニストップのソフトクリーム。その理由は……。 - 自販機の一等地は「左上」? 人の視線を追いかけたら“常識”が覆った
自販機で缶コーヒーを買う――。日常的な行動なので、意識していない人が多いと思うが、実は自販機には隠れたノウハウがある。マシンの前に立ったとき「人は『左上』に注目する」と言われてきたが、ダイドードリンコがアイトラッキングを使って分析したところ……。 - ドローンが人間を救う! 世界初の“救援隊”出動
2016年、ドローンがさまざまな場で活躍しそうだ。可能性が広がる中で、ドローンを使って「被災地の地図を作る」動きが進んでいる。世界初のプロジェクト「ドローンバード」とは、一体どういった仕組みなのか?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.