朝マックを深夜に提供する米マクドの“奇策”、日本は?(2/4 ページ)
米ファストフード大手マクドナルドの米国内の店舗で10月から“朝マック”の終日提供が始まった。業績回復を目指し、世界中の「マクド」がさまざまな再建策を打ち出しているが、食生活スタイルが違う日本では、本家の試みはビジネスモデルになりそうもない。
“朝食”フリークにマクドは人気No.1
なぜ朝食メニューの終日提供なのだろう。そこには米国人の食生活スタイルが多分に影響していると思われる。庶民は、日本でいうところの大衆食堂の「ダイナー」などで外食することが多く、ハンバーガーやサンドイッチなど一般的なアメリカ料理を楽しむ。オムレツに代表される卵料理やワッフル、パンケーキなどの朝食料理を売りにしているダイナーもあり、これらを終日提供する人気店も多い。
ロイターによれば、ここ数年、米レストラン業界全体で「朝食メニュー」に注目が高まっているという。コーヒーやパンケーキ、ドーナツを提供する朝食メニューの売り上げは、ランチやディナーの売り上げを上回り、米レストラン業界の利用客数を押し上げているとされる。インターネット上では、一日中朝食メニューを好んで外食する人たちを意味する「ブレックファースタリアン」という造語も現れるほどだ。
そうした中、ロイターが入手した、調査機関YouGovブランドインデックスが実施した調査結果によると、「ブレックファスタリアン」による人気ランキングでマクドナルドが首位に選ばれたという。
この調査は、朝食メニューを1日2回食べる18歳以上の1000人を対象に、1年間にわたりオンライン上で集計され、41%が次の朝食はマクドナルドで食べたいと回答。2位はサンドイッチ・チェーンの「サブウェイ」で、マクドナルドのライバル「バーガーキング」は4位、コーヒーチェーン「スターバックス」は5位だった。
朝食メニューはすでにマクドナルドの米部門の売上高の約25%、利益の約40%を占めているとされる。調査結果はそれを裏付けるもので、マクドナルド社としては、朝食メニューの終日提供を起爆剤にして業績を回復させる狙いが見え隠れする。
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