2015年7月27日以前の記事
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朝マックを深夜に提供する米マクドの“奇策”、日本は?(3/4 ページ)

米ファストフード大手マクドナルドの米国内の店舗で10月から“朝マック”の終日提供が始まった。業績回復を目指し、世界中の「マクド」がさまざまな再建策を打ち出しているが、食生活スタイルが違う日本では、本家の試みはビジネスモデルになりそうもない。

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サービス低下の恐れも

 もちろん、終日提供のデメリットも指摘される。

 フランチャイズ店にとっては新しい機材導入などの経費もかさむ。CNNによれば、店舗当たりのコストは500〜5000ドル(約6万〜60万円)になるとマクドナルドは試算するが、こうした経費負担については支援すると表明しているという。またロイターは、一部のフランチャイズ店からは、オペレーションが複雑になり、サービスが遅くなる可能性を懸念する声もあると伝えている。

 一方で、ハンバーガーに比べ低価格の「エッグマックマフィン」を夕食時に注文する客が増えれば、売り上げが落ち込むとの懸念も聞かれる。米労働省発表の10月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が27万1000人増となり、伸びは市場予想の18万人増を大きく上回った。ただ、賃金は依然低迷しており、朝マックを終日食べざるをえない低所得者が出てくる可能性すらある。それゆえに負のスパイラルに陥り、「肥満大国」の汚名は返上できそうにない。

 10月22日に発表された2015年7〜9月期決算によると、世界全体の既存店売上高は前年同期比4%増だった。四半期ベースで前年実績を上回るのは14年1〜3月期以来、1年半(6四半期)ぶりだ。低迷が続いていた米国もわずかに伸びた。メニュー改良などの成果が出ているとするが、朝食事業はさらなる「特効薬」になるのか。

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