あなたは大丈夫? 10〜20年後、人工知能に奪われる仕事100:水曜インタビュー劇場(消える仕事公演)(4/5 ページ)
人工知能によってあなたの仕事が奪われるかもしれない――。このような不安を感じている人も多いのでは。ある調査によると「労働人口の49%が人工知能などによって奪われる」という結果がでたが、この数字をどのように受け止めればいいのか。
「年収が高い」職業もコンピュータ化
土肥: 人工知能などに奪われてしまうかもしれない職業をみていて、「事務関連の仕事はコンピュータに任せたほうが速そうだし正確だしなあ」といった印象を受ける人も多いと思うのですが、このほかに分析結果で気になった点はありますか?
寺田: 一般的に「年収が高い」といわれている職業は今後も存続して、「年収が低い」といわれている職業は今後なくなって……といったイメージをもたれているかもしれませんが、“関係がない”ことが分かってきました。
土肥: なんと!
寺田: 機械化、自動化が進むと、工場のラインの仕事だったり、単純な事務作業の仕事がなくなるのではと思われたかもしれませんが、これから起きるのはそうした単純な話ではありません。付加価値が高く、年収が高いといわれてきた職業でも、人工知能などに取って代わられる可能性が高いんですよ。
土肥: 例えば、どんな職業ですか?
寺田: 公認会計士、弁理士、司法書士などが該当します。
土肥: どれも簡単になれる仕事ではないですよね。資格を取得するために、数年かけて勉強する人も珍しくありません。膨大な時間をかけて「やったー、合格! やっとなれるぞー!」と思ったら、「あ、君の仕事はないよ。これからはコンピュータに任せるから」と言われたら、悲しすぎますよ。
寺田: コンピュータがどんどん進化することで、これまで人間にとって難しいと思われてきた職業も、奪われれる可能性があるんですよね。また、人にとって簡単だけれども、機械にとっては難しいよね、といわれてきた職業もどんどん奪われるかもしれません。例えば、クルマの運転。路線バスの運転手、タクシー運転手などの仕事も奪われていくかもしれません。
これまでコンピュータが得意なのは、経理処理や文書作成などといわれてきました。しかし、それだけではありません。企業のコアな部門……例えば、事業計画、数値目標などを立てることも、コンピュータは得意なんですよ。このように考えると、最後にどうしても人間の力が必要になる仕事だけが残るかもしれません。例えば、M&Aの業務に携わる人とか。
土肥: M&Aの業務に携わる人なんて、ほんのひと握り。そもそもM&Aなんてしょっちゅうやりません。ちょ、ちょっと不安になってきました(汗)。
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