コンビニのレジで「現金の引き出し」は難しい、これだけの理由:コンビニ探偵! 調査報告書(3/4 ページ)
先日、コンビニやスーパーのレジで現金が引き出せる「キャッシュアウト」が可能になるのでは、というニュースがあった。すでにほとんどのコンビニにはATMが設置されているのだが……。今回は、コンビニでのキャッシュアウトの可能性について考えてみたい。
個人情報取り扱いの問題点
コンビニでキャッシュアウトを導入するとなれば、次はコンビニに対するお客さんの信用が得られるかどうかが課題だ。
昨今、個人情報の流出が社会問題化しており、コンビニとて例外ではない。ネットの情報ではあるが、あるお客さんがコンビニチェーンのポイントカードを申し込む際、従業員に個人情報を盗み見されSNSでナンパまがいのことをされたという話がある。全てをうのみにはできないが、事実である可能性も拭い切れない。実はこれ、やり方によっては可能なのだ。
コンビニのサービスの1つに「収納代行」がある。ほとんどの人が一度は、電気や水道、ガス、電話などの公共料金をコンビニで支払ったことがあるだろう。現在では、ほとんどの会社が納付書に個人情報を記載しない方向に動きつつあるが、個人情報を完全に伏せるまでには至っていない。残念なことに、これも個人情報悪用のタネとなる可能性を秘めている。
宅配便もコンビニの代表的なサービスだが、送付書には氏名、住所、電話番号、しかも送付元と送付先の2カ所の情報を記入しなければいけない。携帯電話が1人1台となった今、家庭に固定電話を新たに設置が減ってきている。つまり、そこに書かれる電話番号の多くは携帯の番号だ。ダイレクトに本人につながる携帯番号は、重要な個人情報ではないだろうか。とはいえ、何も記入しないわけにもいかないので、この問題は悩ましい。
個人情報の取り扱い例としていくつか挙げたが、普段コンビニを利用する中で読者のみなさんが特に意識することはないだろう。ただ、コンビニは意外に多くの個人情報を取得できる場所であるということは理解しておいてもらいたい。
レジで現金が引き出せるようになれば、財産情報であるキャッシュカードやデビットカードなどをコンビニのアルバイトが手にすることになる。「金融の専門家でない人に見られるのはちょっと……」と思うお客さんは少なくないだろう。もちろん、各コンビニは情報流出への対策を取ってはいるものの、どんな人間にも“魔が差す”ということはある。
情報保護の観点からも、キャッシュアウトは馴染まないのでは、と筆者は考えている。
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