「バイトテロ」「バカッター」が存在する、3つの背景:新連載・炎上の火種(4/5 ページ)
「バイトテロ」「バカッター」は、2013年ごろから全国的に多発している。その後、企業のさまざまな取り組みによって減少したものの、一向になくなる気配を見せない。その背景に何があるのか。
「SNSに投稿するな」と言うだけでは不十分
ポイント1:企業主体ではなく、従業員を主体にする
炎上に関する研修では、炎上を起こした際の悪影響(信頼失墜、売上低下など)を伝えることが一般的だが、投稿するアルバイト従業員や社員本人に焦点を当てることがポイントとなる。
企業に損害が出る説明をするよりも、本人あるいは家族にどのような影響が起こるのかを説明することが望ましい。事実、過去に勤務先の飲食店で悪ふざけの様子をSNSに投稿したアルバイトの大学生は、さまざまな情報をもとにネットユーザーから身元を特定され、個人情報をインターネット上にさらされている。本名をインターネット上で検索すると、炎上した際の画像や批判の書込みが次々とあがってくるため、将来にわたってさまざまな場面(例えば就職・転職活動など)で不利益をもたらすだろう。理解や関心を深めるには、従業員自身へのリスクを問いかけると効果的だ。
ポイント2:最新の炎上事例を共有し、パターンをできる限り多く提示する
これまでのバイトテロやバカッターは、問題行動を起こした本人自身がその様子を投稿することで炎上するケースが多かったが、問題行動を起こされた、被害を受けた側の人がTwitterやFacebook上で「告発」することで発覚し、炎上するケースも増えている。
例えば、某コンビニチェーン店でアルバイトの男性が女性客に電子マネーカードの作成を勧めた後、作成時に知り得た個人情報を利用してFacebookから「ナンパ」のメッセージを送りつけて炎上したケースがある。これは、女性客が一連の流れをTwitterに投稿したことで「個人情報の漏洩」として激しく炎上、アルバイトの男性やその勤務先であるコンビニチェーンに非難が集中した。この際、女性はアルバイトの男性から送られたメッセージをスクリーンショットで撮影し、証拠としてあげていたため信ぴょう性が増し、たちまち大炎上へとつながった。
つまり、企業としては従業員に「SNSに投稿するな」と言うだけでは不十分なのだ。炎上のパターンは増え続けている。できる限り最新の炎上事例を共有し、何がリスクとなり得るかを具体的に提示することが必要だ。
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