フリーターは400円、正社員は5000円で、老後の備えを始めよう:マネーの達人(4/4 ページ)
今回は、正社員と非正規社員の各種社会保険の加入率を比較しながら、将来受け取る年金について考えてみましょう。
400円か5000円で自助努力を始める
今後は、正社員でも年金の受給額を少しでも増やすための自助努力が大切になってきます。
公的な制度で低額から始められるものとして、「個人型の確定拠出年金」があります。毎月5000円から始められ節税効果も高いですが、中年フリーターにとっては負担になると思われます。
そこで、国民年金の加入者のみが利用できる「付加年金」という制度がおすすめです。付加年金の保険料は毎月400円とかなり安く、受給額は「200円×付加保険料の納付月数」となり、老齢基礎年金に上乗せされます。
以下は、20歳から60歳まで国民年金と付加年金に加入していた場合を計算したものです。
20歳から60歳まで国民年金と付加年金に加入していた場合
- 掛金(40年): 480(月)×400(円)=192000(保険料合計)
- 付加年金受給額: 480(月)×200(円)=96000(年間受給額)
このように、決して大きな金額にはなりませんが、付加年金の支給開始から2年も経過すれば元が取れます。
中年フリーターも中年正社員も将来を悲観する前に、できることから始めてみましょう。(木村公司)
著者プロフィール:
木村公司
1975年生まれ。大学卒業後地元のドラッグストアーのチェーン店に就職。その時に薬剤師や社会福祉士の同僚から、資格を活用して働くことの意義を学び、一念発起して社会保険労務士の資格を取得。その後は社会保険労務士事務所や一般企業の人事総務部に転職して、給与計算や社会保険事務の実務を学ぶ。現在は自分年金評論家の「FPきむ」として、年金や保険などをテーマした執筆活動を行う。
保有資格:社会保険労務士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー2級、年金アドバイザー2級、証券外務員二種、ビジネス実務法務検定2級、メンタルヘルス・マネジメント検定II種
関連記事
- ギャンブル化した年金運用 それでも破綻しない年金の仕組みとは?
今回のテーマは「年金」。日本の年金は破綻しない仕組みにはなっているようですが……。 - 社会保険給付額や年金額まで――「通勤手当の有無」が大きな差を生む
あなたが勤める会社には、通勤手当の支給制度がありますか? この手当の有無によって、雇用保険や年金などの各種社会保険料の算出額に差が出てくるのです。 - 年金では暮らせない! 「共働きシニア」が急増
65歳以上になっても夫婦で働く高齢者が増加している。その数はこの10年間で約30万世帯に上る。目的はさまざまだが、生活費のために収入を増やしたい高齢者が多いという。 - 年金分割が始まっても、熟年離婚が増えなかった理由とは?
3組に1組の夫婦が離婚する時代。特に30、40年と連れ添った熟年の夫婦が離婚するとなると、問題は山積です。長年の蓄積を清算するのは大変ですが、実際、どうしたら良いのでしょうか? 今回は「離婚時の年金分割制度」について紹介します。
関連リンク
copyright (c) "money no tatsujin" All rights reserved.