松坂は「給料泥棒」の汚名を返上できるのか “日本的補強”に警鐘:赤坂8丁目発 スポーツ246(3/5 ページ)
福岡ソフトバンクホークスの松坂投手とオリックス・バファローズの中島内野手が崖っぷちに立たされている。昨シーズン、大リーグから帰ってきた2人は期待されながらも、全く結果を残せなかったからだ。それでも高額を手にした両選手に対して、米球界から「?」の声が出ている。
“日本的補強”に警鐘を鳴らす
レッドソックスが大枚をはたいて獲得した2007年オフ当時の松坂は西武のエースとして飛ぶ鳥を落とす勢いで、日本球界ナンバーワン投手の評価を欲しいままにしていた。結果的に松坂はメジャーで2008年の1年目は15勝、翌2009年に日本人シーズン最多となる18勝を挙げたが、その後は成績が急降下。
以降は2010年の9勝が最高でレッドソックスでの残り4シーズン、2013年からプレーしたニューヨーク・メッツでの2シーズンはパッとしない成績だった。2011年にトミー・ジョン手術を受けるなどコンディション的に苦しんだことも、その理由の1つだろう。
エプスタイン氏は、その松坂獲得について「1年目からフル稼働し、チームのワールドシリーズ制覇に貢献してくれた。総じて振り返れば、日本最高の投手であった当時の彼にミリオンダラーを費やす価値はあったと思っている」と自身の巨額投資が間違っていなかったことに今も強い自信を持っている。
しかしながら昨オフ、ニューヨーク・メッツからソフトバンクへ9年ぶりに国内復帰を果たした時の松坂はエプスタイン氏が指摘したようにメジャー各球団の評価が長らく低空飛行を続けていた微妙な時期であった。にもかかわらず、推定で3年12億円もの巨額オファーをソフトバンク側が持ちかけたことは「名を捨てて実を取る」ならぬ「実を捨てて名を取る」ことにつながり、松坂の気の緩みを生む結果につながってしまっているのではないか――。
エプスタイン氏は編成に携わる者として、そのように分析し“日本的補強”に警鐘を鳴らしているのである。
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