やる気は靴に現れる
最後にご紹介するのは、飲食業を経営しているCさん。Cさんは時々“靴と己”というテーマで社員とお話することがあるとか。一体、どのようなお話なのでしょうか。
「男の『カッコイイ』って、最初は誰かのマネから入る。学生のときは、カッコイイ先輩の制服の着方とか、髪形をマネしたりして。男は常に周りから、カッコイイ、ステキと思われたい生き物だからね。
働くようになってからもそれは同じで、仕事で上にあがりたいし周りの人たちからもステキだと思われたい。仕事でも恋愛でも、上昇志向が強い人は自然と身だしなみに現れるんだよ。だから、部下はお手本となる先輩がいたらその人のネクタイや靴を観察してマネをするようになる」
仕事ができる人とそうでない人の違いは、上昇志向があるかないかと、お手本となる先輩がそばにいるかどうか。ポイントはこの2つのようです。
「上昇志向がない人というのは、いつまでも同じ場所を行ったり来たりを繰り返すだけで成長がない。だから、身だしなみもパッとしないし、だいいちカッコよくない。カッコよくない人を見習いたいとは誰も思わないよね。
仮に、上昇志向が強い部下がいたとしても、目標となる先輩がいないと目指せないから、役員たちには『目標にならないような人間にだけはならないでくれ』と話している。幸い、役員をはじめ1人でも部下や後輩がいる立場の社員は皆、自身の許容範囲でいい靴を買っているみたいだから、どこに出しても恥ずかしくないよ」と社員にご自身の信条が伝わっていることを、Cさんはうれしそうに話してくださいました。
暖かいと感じられる日も増え、店頭には春夏のコレクションが並ぶようになりました。春はもうすぐそこ、そろそろ衣替えの時期ですね。
読者のみなさまも、ブランド名だけでないご自身にあったいい靴を1足、春を前に買いに行かれてはいかがでしょうか。
桃谷優希氏のプロフィール:
1988年10月16日大阪府生まれ。16歳のときに処女作『デリンタ(悪魔の子)と呼ばれた天使たち』(文芸社)でデビュー。このほか『国民の声』(文藝書房)に寄稿、『罪追人』(文藝書房)がある。
京都ノートルダム女子大学卒業後、北新地のクラブへ。その後、銀座に移籍。銀座40周年の老舗「クラブセントポーリア」でナンバーワンの座を手にして、その後26歳の誕生日に某有名店のママに就任。2015年12月、銀座7丁目にクラブ「城」をオープン。
関連記事
- トップの人が実践している「4つのキーワード」
今回は、トップといわれる人たちが日々実践している「4つのキーワード」についてご紹介します。 - トップの人が考える、モチベーションを上げる方法
「モチベーションとは、命令や指示で生み出せないもの」――多くの経営者が同じようなことを話されています。これは、どういうことでしょうか。 - 出世した人たちに共通する「人たらし」の美学
豊臣秀吉が「人たらし」であったことは有名な話です。これはある種の才能であり、大成したすべての方が持って産まれたものではありません。今回は、そんな超一流の方々の「美学」についてご紹介します。 - 出世したいなら、まずは“ぜいたく”を知る
とある会社の社長は、「ぜいたくはテーマパークの“入場料”みたいなもの」だとおっしゃいます。これはどういう意味なのでしょうか? - 出世する人は、数年先の「あるべき姿」を見ている
「スケジュールの調整が難しい。今週も来週も忙しいし……」というビジネスパーソンも多いのではないのでしょうか。しかし、そんな忙しい日々のなかでも、出世してきたビジネスパーソンは「将来を考えるための時間」を作っているようです。 - 普通に「おごって」はダメ、一流になるための“極意”とは
一流と呼ばれる人たちにみられる「謙虚」や「おおらか」というイメージは、一体どこからやってくるのでしょうか。彼らのそのようなイメージは、単に「いい人」というだけではないようです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.